弊社開業19年目にして初めて社員に退職勧奨をしました。
彼は弊社に入社して15年もの間勤めていた仲間でした。
昨年末、仕事で指を怪我しました。
その怪我で通常業務が出来なくなり、本人も他の従業員に負担を掛けてしまっている事に申し訳なさと焦りが募っていました。
そういった中、年が明け少しずつ現場に出るようになった頃、取引先の担当者から心ない言葉を言われました。
彼は傷つき心を病みました…。彼は元々鬱症状を持っていたので症状が悪化してしまいました。
私にも当然本人から連絡が入り、取引先様の上層部にも話がいき、心ない言葉を言ってしまった担当者に事実確認をし、厳重注意されました。
当事者もそんなつもりで言った訳ではなかったが傷つけてしまった事に反省し謝罪をしようとしていました。
しかし…、言われた本人は怒りが爆発しました。感情が制御出来なくなり、当事者本人に電話をかけ、謝罪を聞く前に暴言を吐きまくりました。
収集がつかなくなってしまったのでひと月程休職を命じました。
休職をとき、とりあえず内勤で様子を見る運びになり、私も本人が通う心療内科に同席させて貰い、色々と話を聞かせて頂きました。
しかし本人の怒りは4ヶ月経っても収まらず、仕事にも身が入っておらず、他の従業員からも私に相談にくる回数が増えました。
そして先々週に彼は当事者が働く会社の上層部に直接電話をし、抗議をしました。
電話が終わってすぐに上層部の方から私に電話があり事情を説明されました。
重く受け止め私は取引先様のトップである会長にアポを取り、謝罪を含めた協議をしました。
会長も彼の事をよく知っているのでずっと心配をして下さっていましたし、事あるごとに彼を気にかけて下さっていました。
その会長から「彼は現在病気だからちゃんと治した方がいい、一度退職して治療に専念する方が彼の為だ。」と助言を頂き、私も腹を括りました。
そして先週の金曜日に弊社で役員会議を開き、会社としての方針や彼に対する考えを伝え、まとめました。
そして本日、弊社役員3名と本人の4名で話し合いをし、治療に専念する為に退職合意書にサインしてもらいました。
条件付きですが、復職可能の条項も入れる事で彼も本気で治療に専念してもらえると思い入れました。
本当に彼には戻ってきてもらって以前の様に笑いながら仕事をしたいと強く願っています。
しかしどんな理由があろうとも会社側から退職勧奨をするのは辛いものです…。