<運転免許試験/後編>
ボクは今回の失敗点、つまりバイクとマニュアル車問題を中心に復習した。
間違っていたのがそれらの問題である事は、教科書を開けば明らかだった。
そうしてその日二度目の試験。
…最初の試験より問題が易しい。
バイクの問題も少ないし、マニュアル車の問題も一つだけ。
これはどういう事だ?
会場にいる受験生は、全部で200人くらいだろうか。
後でわかったけど、その日に二度試験を受けたのは、ボクを含めて10人足らずだったらしい。
だから二度受ける人だけ試験が易しくなるってわけじゃなさそうだ。
…たまたまだろうか。
ボクは自信たっぷりに答案を提出した。
発表。
今度こそ合格。
…ほっと胸を撫で下ろす。
手間取ったなぁ…。
こうしてついに、免許取得の悪戦苦闘が終了したのだ。
その日は終日試験で拘束されてしまい、映画には結局行けなかった(笑)。
ボクは39歳になっていた。
38歳のうちに取得するつもりで、だからこのシリーズは「38歳免許への道」ってタイトルにしたんだけど、現実はそんなに甘くなかった。
この年齢で新しい事を始める大変さが身に染みた。
と同時に、トライする事の達成感も体感した。
頑張ってよかったなぁ。
その日のうちに写真撮影があり、免許証が交付される。
よく「悪人面」に写ると言われる免許証の写真。
ボクは笑顔で撮影に臨んだ。
恐い顔で写るよりはいいと思ったのだ。
ボクはこれからのカーライフを思い描いた。
ボクは愛する家族を乗せて、遠くの街まで走るのだ。
時には大自然の中も走ろう。
気まぐれに止めて、景色を楽しもう。
遊び疲れた子供たちの寝顔をルームミラーでちらりと見て、マヨと微笑みあいながら帰路に着くのだ。
免許証には、ボクの夢の詰まった笑顔が、貼り付けられた。
38歳免許への道――完
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