<最終章/前編>
卒業検定も無事終わり、免許への最後の関門は「運転免許試験」だけとなっていた。
ボクはこの間のように一夜漬けを行ない、試験場に向かった。
試験は小一時間程度なので、終わったらマヨと映画に行く約束をしている。
――思えば長い道のりだった。
教習所の門を叩いたのは八月だった。
真夏の真っ盛りだったが、汗は、暑さのものとはまた違う苦いものばかりが噴き出していた。
友人、知人に免許の話をすると、みんなして「一ヶ月で取った」、「いや俺は二週間だった」と、スピード自慢に花が咲いた。
その中には、社会人になってから取った人間も、自分で教習所代を出した人間もいない。
ボクが知る限り、マヨだけが自腹で通い、仕事しながら免許を取っている。
だからマヨの話はよく聞いた。
半年が長いのか、短いのか、わからない。
早いとは思わないが、ボクの年齢で取るとしたらまぁこんなもんだろう。
これで少なくとも…
休日の朝は教習所に行かなくてもいい(笑)。
ゆっくり眠れるぞ。
疲れたなぁ…。
大変だったなぁ…。
我ながらがんばったなぁ…。
そして…
最後の試験が始まった。
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