38歳免許への道 44 | 日陰で絵日記

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イラスト描きとその家族の日記

 <最終章/前編>



 卒業検定も無事終わり、免許への最後の関門は「運転免許試験」だけとなっていた。


 ボクはこの間のように一夜漬けを行ない、試験場に向かった。

 試験は小一時間程度なので、終わったらマヨと映画に行く約束をしている。






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 ――思えば長い道のりだった。



 教習所の門を叩いたのは八月だった。

 真夏の真っ盛りだったが、汗は、暑さのものとはまた違う苦いものばかりが噴き出していた。


 友人、知人に免許の話をすると、みんなして「一ヶ月で取った」、「いや俺は二週間だった」と、スピード自慢に花が咲いた。

 その中には、社会人になってから取った人間も、自分で教習所代を出した人間もいない。

 ボクが知る限り、マヨだけが自腹で通い、仕事しながら免許を取っている。

 だからマヨの話はよく聞いた。



 半年が長いのか、短いのか、わからない。

 早いとは思わないが、ボクの年齢で取るとしたらまぁこんなもんだろう。



 これで少なくとも…



 休日の朝は教習所に行かなくてもいい(笑)。



 ゆっくり眠れるぞ。




 疲れたなぁ…。




 大変だったなぁ…。




 我ながらがんばったなぁ…。






 そして… 







 最後の試験が始まった。





 

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