(イ)2016の約数の、個数と和を求めよ。
(ロ)√(2016k)が自然数となるような正整数kの最小値を求めよ。
(ハ)2016の約数の和の、各位の数の和をa、積をbとおく。不定方程式ax+by=2016の正整数解を全て求めよ。
解答作成日:2016年2月11日
テーマ:
①素因数分解を利用した正約数の個数とその和の求め方
②文字を伴う根号が自然数となる条件
③不定方程式
履修学年:(イ)及び(ハ)は高校1年、(ロ)は中学3年
自作数学問題bot @mathquestionakt様が新しい問題をアップロードされましたので、お久し振りに解説を作ってみました!!
まずは正約数の個数と和からです!!
【問題8】約数が2014個の自然数のうち、最小の自然数はいくつか?また、その数は何桁か?では、正約数の個数から、元の自然数を構成する素因数の組み合わせとその累乗数を「推測」するという、本題とは逆の手順をご紹介致しました。
しかし!!本題はオーソドックスに、素因数分解をすることで「推測」をするまでもなくなるのです。
何の為に素因数分解をするのか…?
そうです!!
その数が、どんな自然数で割り切れるのかをハッキリさせる為ですね!!
自然数Aが自然数Bを約数に持つとき、A,Bをそれぞれ素因数分解すると、Bを構成する全ての素因数が必ずAに含まれる。
これを使えるようにするのです!!
本題では、全ての正約数の和も問われていますが、展開によってできる項の個数は、積の法則より、各括弧内の項の個数の積で表せるので、これを工夫して利用すれば、驚くほど簡単に計算できるのです!!
次に根号が自然数となる条件です!!
これは、高校入試では非常に有名な問題ですが、やはり「何の為に素因数分解するのか」を大切に意識しましょう。
本題では「kの値にかかわらず、根号で表す必要が無い部分を見きわめる為」に、素因数分解をするのですね。
これで根号内に残った数は、kの値によって根号がいらなくなるか否かが決まるのです!!
次に不定方程式です!!
a,bの値は、(イ)で正約数の和が求まってしまったので、問題の意味を取り違わなければ、すぐに出てしまいますね。
(取り違わないように、数字だけを見ないで、よく「活字を読んで」みましょう。)
しかも!!本題では等式の性質を使って、各係数を小さくすることができてしまうのです!!
これも、素因数分解様々ですね~。
更に!!y=0のときに、xが整数になることも明らかになります!!
これは解きやすさが格段に上がりましたね。
元の式と解を1組代入した式を連立方程式よろしく辺辺引くのも、不定方程式では常套手段ですが、これも「何の為に?」と疑問に思われるかと思います。
いくら解が1組分かったからって、他に解は存在しないということは断定できませんね。
比の式に換算することで、考えられる他の解を、探しやすくするためなのです!!
素因数分解というのも、色々と役立て方があるものですね。