三角比・三角関数の基本的定義 | 数学解説ブログ(つくば市の「数学・算数・物理に強い」プロ家庭教師 長通幸大・発信)

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中学高校の定期試験問題・大学入試問題・Twitterの数学特化系アカウントで出題された問題・閲覧した方からのご質問まで、幅広く取り扱う方針ですので、
日々の学習や数学的発想・思考力の向上にお役立ていただければ幸いな限りです。

履修学年:高校1年

高校数学の中でも特に「好き」「嫌い」が分かれる分野です。
そもそもsinθとは何か?cosθとは何か?これを説明する段階で行き詰まってしまう人が多く見られます。
しかも、突然に単位円が現れて、さらに疑問は深まるばかり。

まずは重要な点から。
sinθ、cosθ、tanθは、全て、θ(角度の値)がいくつかによって値が決まる「関数」なのです。
そして、このθは、直角三角形の1つの鋭角を示すのです!!

直角三角形というのは、1角が確実に90°なので、残りの片方の鋭角が何度かわかれば、少なくとも「どんな形をした直角三角形か?」というのは、把握できますね。

この、「どんな形をした直角三角形か?」によって、sinθ(斜辺÷高さ)、cosθ(斜辺÷底辺)、tanθ(高さ÷底辺)が1つの値に定まるのです!!






多くの高校生の皆さんが厄介がるのは、仰角θが90°を超える場合ですね。
そもそも、仰角が90°を超えると、直角三角形ができませんね。
だったら、sinθ、cosθ、tanθはいずれも、90°を超えたら値をとらないのでは……??

これを打開するために、単位円を使うのです!!
具体的には、「各辺の長さ」を無理やりxy座標に換算してこじつけた結果、仰角90°を超えるsinθ、cosθ、tanθも値が出せたということですね。

そうです、「何の為に単位円を使うのか?」と問われたら、「三角形の辺の長さの比を座標平面にこじつけるため。」と答えてしまって問題ありません!!

このこじつけのおかげで、鈍角三角形の測定や求積もできるのですから、三角関数というもの奥が深いものですね。

最後に重要なこと!!
仰角が30°・45°・60°の時の、sinθ、cosθ、tanθはかなり定期試験に人気がありますので、しっかり確認しておきましょう。

仰角が30°の直角三角形は、高さ1、斜辺2、底辺√3の比が成り立ちます。
仰角が45°の直角三角形は、高さ1、斜辺√2、底辺1の比が成り立ちます。
仰角が60°の直角三角形は、高さ√3、斜辺2、底辺1の比が成り立ちます。

これで、定義に基づき、sin30°、cos30°、tan30°、sin45°、cos45°、tan45°、sin60°、cos60°、tan60°の値を全て求められるはずです。

しかも、「単位円へのこじつけ」のおかげで、sin120°、cos120°、tan120°、sin135°、cos135°、tan135°、sin150°、cos150°、tan150°など、90°を超える仰角の場合もしっかり求められるはずです!!

この三角比を、工夫して簡単にしたり、辺の長さや面積を求めたりする為に使いこなす方法につきましては、追ってアップロード致します。