自作数学問題bot @mathquestionakt (問題32) | 数学解説ブログ(つくば市の「数学・算数・物理に強い」プロ家庭教師 長通幸大・発信)

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日々の学習や数学的発想・思考力の向上にお役立ていただければ幸いな限りです。

赤球が8個、青球が5個、白球が3個、1つの箱に入っている。この中から無作為に一つ球を取り出し、取り出した球を戻し、更にそれと同じ色の球を1つ箱に追加する。この操作を繰り返す時、n回目に取り出す球が赤球である確率を求めよ。

解答作成日:2015年3月16日
テーマ:確率の従属性
履修学年:高校1年

高校で履修する確率分野の中でも、ややこしいのが本題で取り扱う「従属」ということの定義ですね。

確率で「複数の試行が独立」ということは、前の試行の結果がどうであれ、次の試行の確率に影響を及ぼさないことを意味します。
「サイコロを何回も振る問題」なんか、その典型です。
サイコロは何回振っても、1が出やすくなることはありませんからね。
「カードを引いて、元に戻す問題」もまた然りです。
これも、元に戻した段階で、またカードを引く際の確率は変わりません。

「複数の試行が従属」ということは、独立とは逆に、前の試行の結果が次の試行の確率に影響を及ぼすことを意味します。
「くじを引いて、元に戻さない問題」はこれに該当しますね。
直前に当たりを引いたか、はずれを引いたかによって、当たりの引きやすさは変わります。
本題もまさしく、典型的な「確率の従属性」にまつわる問題です。

「n回目に取り出す球が赤球である確率」と言っても、それまでに何回赤球を取り出したかによって、確率が異なるので、わざわざ真面目に各々の場合を考慮して分けて考えるのは、あまりにも疲れてしまいます。

しかし、この問題には、強力な味方(?)となる前提条件が存在します!!

「1回目に、赤球を取り出す確率と、赤球以外を取り出す確率が、いずれも1/2であること」です。

この前提条件のおかげで、「赤球と、赤球以外を取り出す順番を真逆にした場合同士は、確率の変わり方(従属性)が一致する」ということが使えるようになります。



これならば、確率を場合分けする手間が省けますね。

高校の定期試験などでは、n=5など、具体的な値が与えられる場合が多いと思いますが、
本題の考え方を使っても、場合分けをしても、十分に解けますので、やりやすい方法で解いてみましょう。