9〈ナイン〉/9番目の奇妙な人形 | p・rhyth・m~映画を語る~

p・rhyth・m~映画を語る~

メインブログ【くた★むび】



原題:9
監督:シェーン・アッカー
キャスト:イライジャ・ウッド/ジェニファー・コネリー/アラン・オッペンハイマー
配給:フォーカス・フィーチャーズ/ギャガ
公開:2010年5月
時間:79分




今夜紹介するのはCGアニメ作品『9〈ナイン〉/9番目の奇妙な人形』。元になったのはシェーン・アッカー監督が2005年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校のアニメーション・ワークショップで課題として製作した3D短編『“9”(en)』。この短編映画が第78回アカデミー賞短編アニメ賞にノミネートされ,ティム・バートンの目に留まることとなる。長編映画化の実現により,11分だった短編は,シェーン・アッカー監督自身の手により80分の長編へとスケールアップされた。

古びた研究室の片隅で,麻布を縫い合わせて作られた奇妙な人形が目を覚ます。その腹部には大きなジッパー,背中には数字の“9”が描かれていた。ところが,彼は自分が誰でどこにいるのかも把握出来ない上,外に出てみるとそこは一面廃墟という有様。すると,そんな彼の前に,背中に“2”(マーティン・ランドー)と描かれた人形が現われる。彼は“9”(イライジャ・ウッド)の壊れていた発声装置を修理し,我々は仲間だと語りかけるのだった。

突如,巨大な機械獣が現れ2人に襲いかかってきた。だが,“2”は“9”をかばって連れ去られてしまう。気を失っていた“9”を助けたのは、他のナンバーをつけた人形たちだった。リーダーの“1”(クリストファー・プラマー),人のいい職人の“5”(ジョン・C・ライリー),風変わりな芸術家“6”(クリスピン・グローヴァー),腕力自慢の“8”(フレッド・タタショア)らは,小さなコミュニティで慎ましく暮らしていた。“9”は“2を救出しようと持ちかけるが,慎重で保守的な”1“に却下されてしまう。それでも諦めきれない”9“は”5“を誘い,”2“を救出するため機械獣たちの住み処を目指すのだったが…。

「これは確かにティム・バートンが好きそうだな」と,そのダークでキュートなテイスト,そしてCGアニメでありながらあえてストップモーション・アニメを意図したビジュアルに惹かれて,最後まで目が離せなくなる。人間が滅びた世界で,小さな人形たちが,自分の存在理由を知らずに行動していき,やがて世界の構造に関わる壮大な物語の一部となっていく。

声の出演も『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのイライジャ・ウッド,『トップガン/マーヴェリック』でペニーを演じたジェニファー・コネリーなど多彩。


映画クタ評:★★★★


右矢印ジョン・C・ライリー作品まとめ

右矢印イライジャ・ウッド作品まとめ

右矢印クリスピン・グローヴァー作品まとめ

右矢印ジェニファー・コネリー作品まとめ