妖怪大戦争/ガーディアンズ | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:The Great Yokai War: Guardians
監督:三池崇史
キャスト:寺田心/杉咲花/猪股怜生
配給:東宝/KADOKAWA
公開:2021年8月
時間:118分




当時KADOKAWA会長の角川歴彦と2005年版『妖怪大戦争』にも携わった作家・荒俣宏の製作総指揮で16年ぶりに帰ってきた『妖怪大戦争』。「なぜ今か?」の問いに「今の子供にトラウマをつくってやろうと思った」と答えていた三池監督のコメントが印象深い。1968年版を見た子供たちは還暦を越え,2005年版を見た子供たちは成人している。社会や情報の変化とともに,“妖怪”って存在や,それが子供たちに印象づけるものが変わった現在に,1つの回答として示した三池監督流の“令和版妖怪ファンタジー・エンタテインメント”作品だ。

列島を南北に縦断する断層“フォッサマグナ”に眠るいにしえの怨念の集合体が1つに結集し,巨大な“妖怪獣”へと姿を変え,東京に迫ろうとしていた。このままでは人間どころか妖怪たちにも一大事。そこで妖怪たちは伝説の武神“大魔神”の力を借りることに。その“大魔神”復活のカギを握るのが,伝説の妖怪ハンター・渡辺綱(北村一輝)の血を受け継ぐ気弱な少年・渡辺ケイ(寺田心)だった。ところが妖怪たちは間違えてケイの弟ダイ(猪股怜生)を連れ去ってしまう。

弟を助けるため,ケイは謎の妖怪剣士・狐面の女(杉咲花)の導きで大魔神のもとへと向かうが,人間嫌いの狸の大妖怪・隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)(大沢たかお)がケイと妖怪たちに待ったをかける。さらに,渡辺綱の末裔であるケイの命を狙う“鬼の一族”が行く手を阻む。はたして,選ばれた少年・ケイは弟を救い,大魔神を蘇らせ,妖怪獣を止めることができるのか? すべてを巻き込んだ妖怪大戦争がついに始まるのだったが…。

主演の寺田心は,前作『妖怪大戦争』の神木隆之介と同じ12歳。しかし,可愛さも演技力もまだまだ物足りない。それを補うのが,進化したVFXと豪華共演陣。ケイとダイの母を演じる松嶋菜々子をはじめ,姑獲鳥(うぶめ)の安藤サクラ,猩猩(しょうじょう)の大倉孝二,天狗の三浦貴大,雪女の大島優子,夜道怪(やどうかい)の遠藤憲一,ぬらりひょんの大森南朋に加え,前作から引き続き小豆洗い役の岡村隆史,大首役の石橋蓮司,今回はケイの担任の加藤先生として登場する神木隆之介など,充実したキャストを追うだけでも楽しめる。

話題となったのは1966年の特撮時代劇シリーズから蘇った大魔神だが,テーマとなった“兄弟愛”とともに,何だか“令和版”にはそぐわない気がして,あまりトキめかなかった。


映画クタ評:★★★☆☆


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◆シリーズ一覧◆

妖怪大戦争』(2005年)