監督:サム・ライミ
キャスト:ベネディクト・カンバーバッチ/エリザベス・オルセン/キウェテル・イジョフォー
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開:2022年5月
時間:126分
地球は直径約3光年(約30兆km)の太陽系の一部で,太陽系は直径約10万光年の銀河系の一部で,その外側の大宇宙には1兆個以上の惑星が存在すると言われている。では,この大宇宙の果ての外側に何があるのか? 測量も観測もできないこのゾーンに存在すると考えられているものの1つが“別の宇宙”。宇宙論,物理学,天文学,宗教,哲学,トランスパーソナル心理学など,様々な観点から真面目な推測が続くこの“別の宇宙”は,“多元宇宙”や“マルチバース”と呼ばれている。
MCUシリーズもPhase 4に入り,このマルチバースを素材にした物語へと移行してきた。すでに『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』でも触れられたマルチバースを,丸ごと舞台に取り入れるとしたらやっぱこのドクター・ストレンジしかいない。そんなわけで今夜は,公開中の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の紹介。監督は初代『スパイダーマン』シリーズのサム・ライミ。
交通事故により神経外科医としての輝かしいキャリアの全て失ってしまった後,カマー・タージでの過酷な修行の果てに魔術師となり,アベンジャーズの1人として世界を守ってきたドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)。『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』で禁断の呪文を使い,マルチバースへと接続してしまってから5ヶ月が経っていた。かつて恋人だったクリスティーン・パーマー(レイチェル・マクアダムス/吹替:松下奈緒)の結婚式に出席していたストレンジだったが,突如街に1つ目の怪物ガルガントスが現れる。ガルガントスに追われていたのは,前夜に夢で見た少女だった。
ウォン(ベネディクト・ウォン)と共に助けた少女の名前はアメリカ・チャベス(ソーチー・ゴメス)。マルチバースを移動する能力を持つ彼女は,ストレンジが見た前夜の夢が,他の宇宙で起きた事実で,謎の怪物に殺されたディフェンダー・ストレンジの遺体と一緒にこの宇宙に来たと言う。アメリカをカマー・タージのウォンに預け,マルチバースの知識を豊富に持ち,アベンジャーズ屈指の強大なパワーを誇るワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)を訪れるストレンジだったが…。
最強の敵サノスだってまだ銀河系に居たし,神の子ソーの故郷アスガルドだってまだ大宇宙の中にあった。コレを突き破る展開に,ディズニーが20世紀フォックスを買収したことで予測された『X-メン』シリーズまでブッ込んじゃう,まさにマルチバース。観る者の視覚と常識と想像力を遥かに超えた世界観で繰り広げられるストレンジの活躍が見事に描かれた秀作。
ミッドクレジットに登場するクレア(シャーリーズ・セロン)が,早くも次の展開への期待を膨らませてくれるのもたまらない。
クタ評:★★★★★
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『ドクター・ストレンジ』(2017年)