コンフィデンスマンJP/英雄編 | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:THE CONFIDENCEMAN JP
監督:田中亮
キャスト:長澤まさみ/東出昌大/小手伸也
配給:東宝
公開:2022年1月
時間:127分




英雄のいない国が不幸なのではない。
英雄を必要とする国が不幸なのだ。

ドイツの劇作家で詩人,ベルトルト・ブレヒトの戯曲『ガリレイの生涯』の一幕。異端審問にかけられ,拷問を突きつけられたガリレイは地動説を撤回し,それに失望した弟子のアンドレアから「英雄のいない国は不幸だ」という言葉で非難される。するとガリレイが「ちがう,英雄を必要とする国が不幸なのだ」と答える場面から世に出た名言だ。

そんなお約束のオープニングで始まる,ファン待望の第3弾。2年前の『プリンセス編』の後,劇場版レギュラーとなっていた2名を亡くしたり,オミクロンの猛威が吹き荒れる中,週末興行1位というスタートを切ってくれた。脚本はもちろん古沢良太,監督も引き続き田中亮,このTVドラマ版でメジャーを駆け昇ったOfficial髭男dismが今回も主題歌『Anarchy』を提供している。

英雄と謳われた1人の男(角野卓造)が死んだ。彼こそは,ダー子(長澤まさみ),ボクちゃん(東出昌大),リチャード(小日向文世)がいずれも師と仰ぐ伝説のコンフィデンスマン“三代目ツチノコ”。そこで3人は当代随一の腕を持つコンフィデンスマンによって密かに受け継がれる“ツチノコ”の称号をかけ,オサカナ争奪の真剣勝負をすることに。

ターゲットは,莫大な財を成し引退しマルタ島のヴァレッタに住むスペイン人の元マフィア,ジェラール・ゴンザレス(城田優)所有の幻の古代ギリシャ彫刻“踊るビーナス”。こうしてはるばる世界遺産の都市ヴァレッタへとやって来た3人だったが,日本の警察から追ってきた丹波(松重豊),インターポールのマルセル真梨邑(瀬戸康史),そして因縁のマフィア,赤星栄介(江口洋介)までもが,彼らの前に立ちはだかるのだったが…。

とにかく,古沢良太サイコー! コンフィデンスマン最強! もうこの言葉に尽きる名作。3作目のジンクスも何のその,『ロマンス編』の香港,『プリンセス編』のマレーシアのランカウイ島と続いた海外の豪華な舞台はついにヨーロッパに進出する。

とにかく見て,キャラへの愛の込もった古沢脚本の妙と,騙し合いバトルのエンタメ性を楽しんで愉快に騙されてほしい。そして見終わったら一緒に叫ぼう「続編希望!」って。

古沢良太と言えば,来年のNHK大河ドラマ『どうする家康』の脚本を手掛けることが発表されている。こちらは主演の徳川家康に松本潤,織田信長に岡田准一,豊臣秀吉をムロツヨシ,他に有村架純,野村萬斎,阿部寛 と強力布陣。放送が今から楽しみでならない。


映画クタ評:★★★★★


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コンフィデンスマンJP/ロマンス編』(2019年)

コンフィデンスマンJP/プリンセス編』(2020年)