アンナ・カレーニナ | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Anna Karenina
監督:ジョー・ライト
キャスト:キーラ・ナイトレイ/ジュード・ロウ/アーロン・テイラー=ジョンソン
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ/フォーカス・フィーチャーズ/ギャガ
公開:2013年3月
時間:130分




1877年にロシアの文豪トルストイが発表した『アンナ・カレーニナ』。『戦争と平和』『復活』などと並ぶ彼の代表作で,バレエや演劇でも度々再演されている,1世紀半を経てなお評価の高い作品だ。今夜紹介するのは7度目の映画化となった8年前の作品。

監督は後に『PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~』(2015年・ワーナー)や『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』を手掛けることになるジョー・ライト。イギリス人歴史家オーランドー・ファイジズの記述に「19世紀のサンクトペテルブルク貴族は,人生を舞台の上で演じているかのようだった」という一節をヒントに,内側から腐った当時のロシア社会の比喩として“美しいが崩れ落ちそうな劇場”のセットをベースとした,舞台型の演出が取り入れられている。

19世紀後半,帝政末期を迎えているロシア。アンナ・カレーニナ(キーラ・ナイトレイ)はサンクトペテルブルクで“社交界の華”と謳われる美貌の持ち主。しかし,夫である政府高官カレーニン伯爵(ジュード・ロウ)との間に愛を感じられず,満たされぬ日々を送っていた。そんなある日,兄夫婦の諍いを仲裁するために訪れたモスクワで,若き将校ヴロンスキー(アーロン・テイラー=ジョンソン)と出会い,ひと目で恋に落ちてしまう。許されぬ恋だと必死に心を鎮めるアンナだったが,舞踏会で再会した2人に,もはや燃え上がる情熱を抑える術はなかった。

一方,アンナの兄嫁の妹キティ(アリシア・ヴィキャンデル)もヴロンスキーに想いを寄せていた。ヴロンスキーとの結婚を信じて待ち続けるキティは,田舎の地主で純朴な好青年リョーヴィン(ドーナル・グリーソン)からの求婚を断る。失意のリョーヴィンは領地に戻り,農地の経営改善に熱心に取り組んでいくのだったが…。

とにかく衣装の華やかさと,魔法のようなシーン・チェンジの連続に惹きつけられる。その2点に気を取られて,特に前半の人間関係が掴みにくいが,この作品,2度見ると“物語の面白さ”が見えてくる。

不倫という神の掟を破るアンナだから,神の裁きとも言える結末は迎える。しかし,自分の気持ちに誠実に生きたアンナを,虚飾に満ち,宗教的には“罪人”である人間が裁くことはできない。一方で,農村で実直に生きて信仰に目覚め,幸せをつかんだリョーヴィンとが対比されていく。

ちなみに,カレーニンとヴロンスキーの名はどちらもアレクセイ。2人のアレクセイの間を行き来したアンナが,娘のアニーとして生まれ変わるという結末の描写が,やや弱めで判りにくいが,個人的には当時24歳のアリシア・ヴィキャンデルが可愛いのでご満悦。


映画クタ評:★★★★


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『アンナ・カレーニナ』
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