ANNA/アナ | p・rhyth・m~映画を語る~

p・rhyth・m~映画を語る~

メインブログ【くた★むび】



原題:ANИA
監督:リュック・ベッソン
キャスト:サッシャ・ルス/ルーク・エヴァンス/キリアン・マーフィー
配給:ライオンズゲート/パテ・ディストリビューションズ/キノフィルムズ
公開:2020年6月
時間:119分




映画監督,脚本家,映画プロデューサーとして多才に活躍するフランス人リュック・ベッソン。度々,監督業は引退すると宣言しながらも,唐突に撮りたくなる性格のようだ。そんなリュック・ベッソン監督作から,今夜は近作の『ANNA/アナ』を紹介。

1990年,モスクワ。露店でマトリョーシカ人形を売っていた大学生のアナ(サッシャ・ルス)は,パリのモデル事務所にスカウトされると瞬く間にトップモデルになり,事務所の共同経営者オレグ(アンドリュー・ハワード)と付き合い始める。ところがある時,オレグが武器商人という裏の顔を打ち明けると,アナは躊躇なく彼を撃ち殺したのだ。実はアナの正体は,ソ連の諜報機関KGBが生み出した殺し屋だった。

3年前,モスクワで恋人と共にクスリに溺れる日々を過ごしていたアナは,堕落した生活にピリオドを打つため海軍に志願。そこで,彼女の陸軍士官学校時代の成績に目を止めたKGBの捜査官アレクセイ(ルーク・エヴァンス)から,“軍事訓練1年,現場勤務4年,その後は自由”という仕事をオファーされる。1年後,過酷な訓練をクリアしたアナは,上官のオルガ(ヘレン・ミレン)のテストにも合格し,無事に正式採用。その最初の任務がオレグの暗殺だったのだ。以後,オルガの指示の下,次々と国家の邪魔者を消していくアナ。同時に,その美貌を駆使してトップモデルへと上り詰めていくのだったが…。

『ニキータ』(1991年・日本ヘラルド)『ジャンヌ・ダルク』『LUCY/ルーシー』などに代表されるベッソン監督お得意のヒロイン・アクション作品。ただ,『ジャンヌ・ダルク』の紹介で触れた過去のベッソンのヒロイン作品とは少し違って,このアナは本能的と言うより,かなりしたたかなヤリ手だ。しかしその“ヤリ手”なキャラの完成までの進化は,やはりしっかりと映し出されていく。

主役のアナにはロシア出身のスーパーモデルであるサッシャ・ルスが抜擢。このサッシャ,時折良い表情は魅せるが,他のヒロイン・アクションでも見たようなシーンを“自分のインパクトを残すシーン”にするにはまだ荷が重かったか?

一瞬混乱させる頻繁な時系列の変化も,進むうちに快感になるし,構成は好み。ルーク・エヴァンズ,キリアン・マーフィー,ヘレン・ミレンといった雰囲気を持つ共演者が脇を固める。


映画クタ評:★★★★


右矢印リュック・ベッソン作品まとめ

右矢印キリアン・マーフィー作品まとめ

右矢印ルーク・エヴァンズ作品まとめ

右矢印ヘレン・ミレン作品まとめ