龍三と七人の子分たち | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:Ryuzo 7
監督:北野武
キャスト:藤竜也/近藤正臣/中尾彬
配給:ワーナー・ブラザース映画/オフィス北野
公開:2015年4月
時間:111分




今夜紹介するのは,それまでのクールなイメージの北野映画を覆してみせたユーモアたっぷりのドタバタ任侠コメディ。主要キャスト陣の平均年齢が72歳という,泥臭い“北野版『RED/レッド』”。

70歳の高橋龍三(藤竜也)は,元ヤクザの組長だが“鬼の龍三”と恐れ慕われた時代はもはや過去のもの。今では家族にも相手にされず,社会にも居場所を失い,大企業で働く息子・龍平(勝村政信)の家に身を寄せながら「義理も人情もありゃしねぇ」と世知辛い世の中を嘆いている。そんなある日,オレオレ詐欺に引っかかったことをきっかけに,元暴走族の西(安田顕)が率いる“京浜連合”と因縁めいた関係になった龍三。「若いヤツらに勝手な真似はさせられねぇ」と,昔の仲間に召集をかける。

集まったのは,若頭のマサ(近藤正臣),はばかりのモキチ(中尾彬),早撃ちのマック(品川徹),ステッキのイチゾウ(樋浦勉),五寸釘のヒデ(伊藤幸純),カミソリのタカ(吉澤健),神風のヤス(小野寺昭)の7人。どうせ先は長くないのだからと盛り上がった龍三たちは勢いで“一龍会”を結成し,詐欺や悪徳商法で荒稼ぎしている京浜連合をことごとく邪魔しまくるのだった。やがて一龍会vs京浜連合の対立は,龍三や子分の家族を巻き込み一大騒動へと発展していく…。

「『アウトレイジ』『アウトレイジ ビヨンド』と暴力がエスカレートしていたので,ワンクッション入れてストーリー性のあるものを作ろうと思った」と語っていた北野監督。しかし,哀愁漂うバンドネオンの音色が,純粋なコメディではなく,“孤独な老人たちの最後の暴走”という遣る瀬なさを浮き立たせる。描きたいことは判るけど,やはり何だか物足りない。

共演は他に,矢島健一,萬田久子,辰巳琢郎,徳井優など。北野監督自身もマル暴の村上刑事役で出演している。


映画クタ評:★★★☆☆


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