監督：ジェームズ・マンゴールド
ｷｬｽﾄ：ヒュー・ジャックマン／パトリック・スチュワート／ボイド・ホルブルック
配給：20世紀フォックス
公開：2017年6月
時間：137分
今月から公開中のウルヴァリンシリーズ最新作。ヒュー・ジャックマンのウルヴァリンも，パトリック・スチュワートのプロフェッサーも見納めとなる。17年に渡り『X-MEN』シリーズを牽引してきた２人の姿を見届けようと，劇場に足を運んだ。監督は前作『ウルヴァリン／SAMURAI』に引き続きジェームズ・マンゴールド。
すでにミュータントの大半が死滅した2029年。超人的な治癒能力を失いつつあったローガン（ヒュー・ジャックマン）ももはや不死身の存在ではなく，長年酷使してきた肉体の衰えは火を見るよりも明らかだった。彼はリムジンの運転手で日銭を稼ぎ，メキシコ国境近くの寂れた荒野の製錬工場で，キャリバン（スティーヴン・マーチャント）と共に，アルツハイマー病を患いテレパシー能力をコントロールできなくなったチャールズ・エグゼビア（パトリック・スチュワート）の面倒を見ながらひっそりと暮らしていた。
ある日，ガブリエラ（エリザベス・ロドリゲス）という女性が現れ，謎の少女ローラ（ダフネ・キーン）をノースダコタ州にある“エデン”まで送り届けてほしいと依頼する。そんなローラを追って冷酷非情な男ピアース（ボイド・ホルブルック）が武装集団を率いて迫り来る。ローガンは渋々ながらもローラ，チャールズとともに，過酷なアメリカ大陸縦断の旅に出るのだったが…。
冒頭から驚かされるのは，明らかに弱々しく，老眼鏡をかけるローガン。やがて登場するそれに輪をかけて老いたプロフェッサー。キャラ設定ではローガン約200歳，プロフェッサーがほぼ90歳となるのだから，この姿は“年齢にしては若い”とも言えるが，ファンとしては胸が痛くなる。これに11歳のローラを加えて進むロードムービーは，ローガンとプロフェッサーの17年間を滲ませ，荒野に，愛と贖罪，怒り，戸惑い，畏れを凝縮させながら染み込ませてゆく。
ローガンとプロフェッサーに，心からの感謝とお疲れ様を，そしてローラに未来を…と祈りつつ，ウルウルしながら５つ星★
ｸﾀ評：★★★★★
「ｸﾀ評」５つ星★作品まとめジェームズ・マンゴールド作品まとめヒュー・ジャックマン作品まとめパトリック・スチュワート作品まとめX-MENシリーズ作品まとめ◆シリーズ一覧◆
『ウルヴァリン／X-MEN ZERO』(2009年)
『ウルヴァリン／SAMURAI』(2013年)