パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Percy Jackson & the Olympians: The Lightning Thief
監督:クリス・コロンバス
キャスト:ローガン・ラーマン/ブランドン・T・ジャクソン/アレクサンドラ・ダダリオ
配給:20世紀フォックス
公開:2010年2月
時間:121分




24歳の時にスティーヴン・スピルバーグの目に留まり,アンブリン・エンターテインメントで脚本家として働き始めたクリス・コロンバス。『グレムリン』(1984年・ワーナー),『グーニーズ』(1985年・ワーナー)、『ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎』(1986年・パラマウント)などヒット作の脚本を手掛けた。監督として『ホーム・アローン』(1991年・20cフォックス)『ホーム・アローン2』(1994年・20cフォックス)で成功した後,名前の英語表記Columbusが同じことから,コロンブスの新大陸発見の年にちなんだ「1492ピクチャーズ」を設立し,多くの作品の監督やプロデュースをしている。

中でも彼の名を世に知らしめたのは,やはり『ハリー・ポッターと賢者の石』『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の大成功だろう。シリーズの第1作に関わることが多いのも彼の特徴だが,観客に「続編を観たい」と思わせるための努力や工夫は,おそらく想像を絶する時間と苦労を要するだろう。脚本家の経験がストーリーを判りやすくコンパクトにまとめ,最新のVFXを駆使して万人受けのする印象的なシーンを作り出し,リピーターを生み出す。そんな能力に長けた逸材の1人だと思う。

彼の作品の中から,2夜連続で『パーシー・ジャクソン』シリーズを紹介。ギリシャ神話の世界を現代と融合させた全米ベストセラーの人気シリーズノベルを,壮大なスケールで映画化したファンタジー・アドベンチャー。神と人間のあいだに生まれた“デミゴッド”の少年が,神々の争いに巻き込まれ,仲間たちと過酷な冒険を繰り広げる姿が迫力の映像満載で描かれる。

未だ父親の存在を知らずに母親サリー(キャサリン・キーナー)と暮らしてきた17歳のパーシー・ジャクソン(ローガン・ラーマン)は,学校に溶け込めない落ちこぼれ。そんな彼も何故か水の中にいる時だけは心を落ち着かせることができた。だがある日,パーシーは“ゼウスの稲妻”を返せ!と叫ぶ恐ろしいクリーチャーに襲われ,逃れる途中で冥界の神・ハデスに母がさらわれるという信じがたい事態に遭遇する。また,学校のブルナー先生(ピアース・ブロスナン)や親友グローバー(ブランドン・T・ジャクソン)らがそれぞれ“デミゴッド”というギリシャ神話の神々と人間のハーフであること,そして自分自身も海の支配者ポセイドンを父に持つデミゴッドだという衝撃の事実を知らされるパーシー。さらに彼は,全能の神ゼウスから何者にも勝るパワーを秘めた最強の武器である“稲妻”を盗んだ犯人と見なされてしまっていた。

“稲妻”を2週間後の夏至までにゼウスのもとへ戻さなければオリンポスの神々が決裂し,地上は破滅の危機に追い込まれることから,一刻も早く真犯人を突き止めて母を救い“稲妻”をゼウスに返すため,訓練所で知り合ったアナベス(アレクサンドラ・ダダリオ)とグローバーの3人で重大な使命を背負う旅へ出るパーシーだが,その行く手には,見たものを石に変えるメドゥーサ(ユマ・サーマン)や,首を切ると首が2本生えて真ん中の首は火を吐くヒドラ,不思議な力を持つロトスの花で人々を捕らえるロトパゴスの巣などの強敵が次々と襲ってくる…。

公開当時は『ハリー・ポッターと賢者の石』との類似点が批評されたが,十分に楽しめる作品。ソフトで見ると3Dの迫力には及ばないが,その分,随所に細かいこだわりが発見できて感心させられる。また,吹替版ではメドゥーサの声を木村佳乃が担当している。


映画クタ評:★★★★


右矢印クリス・コロンバス作品まとめ

右矢印スティーヴ・クーガン作品まとめ

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◆シリーズ一覧◆

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々/魔の海』(2013年)