原題:10,000 BC
監督:ローランド・エメリッヒ
キャスト:スティーブン・ストレイト/カミーラ・ベル/クリフ・カーティス
配給:ワーナー・ブラザーズ
公開:2008年4月
時間:109分
『インデペンデンス・デイ』『デイ・アフター・トゥモロー』などで,現代世界が直面するかつてない危機を描いてきたエメリッヒ監督が,誰も見たことがない1万2000年前の世界を最新のVFXで甦らせた作品。
紀元前1万年の世界。マナク(マンモス)を狩る狩猟部族・ヤガル族のデレー(スティーブン・ストレイト)は若きリーダーへと成長し,幼い頃から想いを寄せていた美しいエバレット(カミーラ・ベル)もついに射止める。ところが村は「4本足の悪魔」と呼ばれる異民族の急襲にあい,多くの村人に加えてエバレットまでもさらわれてしまう。デレーは彼女たちを救うため,仲間と共に異民族を追う旅に出る。獰猛な野獣との死闘や,他の部族との合流,広大な砂漠など過酷な道程を経て,ようやく,広大な文明の地へと辿り着く。そこには巨大なピラミッドがそびえ立ち,何万もの人々が奴隷として休むことなく働かされる,神と呼ばれる絶大な権力者によって完全に支配された場所だった…。
それまでのエメリッヒ作品とは明らかに異なる冒頭には「あれっ?」って思うが,マンモスやサーベルタイガーなど古代動物の重量感溢れる再現は見事。デレーの旅が進むほどに,彼の冒険と成長に感情移入してゆける。
そして,設定こそ違うが,エメリッヒ作品に共通する「特別な力をもった人間ではなく,ごく普通の人間が,何か大きなものに挑戦してゆく」姿とストーリーの展開に興味が膨らむ。
監督お得意の,個々のキャラ描写がもう少しほしかった気もするが,〈古代ファンタジー〉として見ると,酷評の割に,個人的にはかなり楽しめた1本だった。
ちなみに,ティクティクを演じているクリフ・カーティスといえば,この作品の前年に公開された『ダイ・ハード4.0』でのFBI副局長ボウマン役も印象深い。嫌味のない存在感をもつ俳優だと思う。
クタ評:★★★★☆
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