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原題:The Day After Tomorrow
監督:ローランド・エメリッヒ
キャスト:デニス・クエイド/ジェイク・ジレンホール/エミー・ロッサム
配給:20世紀フォックス
公開:2004年6月
時間:124分




一時期は毎日のように耳にしていた「環境」って言葉を,最近は車や家電のCMでしか聞かなくなったのは気のせいだろうか。まだ個々人の意識の中に根付いたとは思えない地球環境への働きかけ…「エコ」を,ただの流行にはしたくないと思う。

さて今夜は,二酸化炭素の大量排出に伴う地球温暖化により,南極大陸の棚氷が融け始め,そのせいで急変した海流が氷河期を引き起こす…という理論と恐怖を最新のVFXによって映像化し,大ヒットした作品を紹介。

気象学者のジャック・ホール教授(デニス・クエイド)は,南極での調査中に棚氷のひび割れに遭遇する。地球温暖化により海水の温度が上昇し始めていたのだ。異常を察知したジャックはベッカー副大統領(ケネス・ウェルシュ)に大規模な避難を進言するが,一笑に付されてしまう。だが,地球は確実に破滅へのシナリオを辿っていた。東京ではゴルフボールサイズの雹が降り注ぎ,ロサンゼルスは巨大な竜巻によって壊滅し,イギリスではスーパー・フリーズ現象によってオイルの凍結した英軍のヘリが墜落。ジャックの息子サム(ジェイク・ジレンホール)と友人のいるニューヨークには豪雨と大津波が押し寄せた。そして,遠い未来に起こると予測されたはずの氷河期が現代に到来する。できるだけ多くの人命を助けるため,そしてニューヨークで立ち往生したサムを救い出すため奔走するジャックだったが…。

エメリッヒ監督が見せる天変地異スペクタクルは,迫力と説得力がある。しかも,その世界の破滅を,父と思春期の息子との絆をメインに,あくまで人類視点で描き切った点がリアリティーを増す。決して豪華とは言えないキャスティングも,逆に,いかにも日常に起こりそうな錯覚を与え,自然の猛威の前には人類は成すすべのないことを直視させる。惨劇と,その後に残された細やかな希望を匂わせたエンディングも気持ち良い。


映画クタ評:★★★★★


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