せせこましい完璧主義 | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 今年の中学受験指導も踏まえまして思いますことは、「大きく伸びたければ、簡単なことばかりしていてはダメ」ということです。

 

 母親という生き物は個人差はありますが、どちらかというと保守的であり、「いまある課題を完璧に」してから次に行かせようとするものです。

 

 ただ、子供というのは、習ったこともすぐに忘れてしまう生き物です。というのも、脳での関連付けが生きる年数の少なさであまりできないので、定着が難しいのです。なんでも吸収できる分、使わないものはどんどん忘れていく性質が強いと感じます。

 

 ですのでもちろん繰り返しは大事ではあるのですが、どれだけ完璧にしても、何割かはあっという間に抜けていく経験をどこのご家庭でもするはずなのです。これはサピのα1(最上位クラス)の子の親でもそう感じています。

 

 これは完璧主義とは「自我(ジコチューな心)」の中での自己満足にすぎず、それと成績などの結果はまた別のところにある。ということを示してもいます。

 中学受験の場合は、親が子供にさせるものなので、親の完璧主義を押し付けることになってしまい、さらに話がこじれます。(しかも当の親が完璧でなかったり~、笑)

 

 脳科学的に言うならば「一度見たものは必ず脳のどこかで覚えている」のであり、多くの東大生は「完璧は無理、大体でいい。根本が分かっていればいい」という感覚をもっていたりもします。

 別に今、完璧でなくても、2度3度と時間をおいて身に着けても大丈夫なのです。ですので、単語帳的なものやコアプラス、4科のまとめのようなものは、どんどん完璧さにこだわらずにやって数周すればよいです。

 

 そのうえで、せせこましい完璧主義ではなく、努力の継続や自分の実力以上のものに「挑戦する」習慣、を受験を通じて養ってほしいと思います。

 

 例としては少し申し訳ないのですが、例えば、「メモリーチェック」という教材があります。あれは15年前くらいに出て、非常に使い勝手がよく僕もよくつかっていたのです。が、現在の激戦となったサピックス中心の中学受験では、もう上位層には合わない教材となったと感じています。特に理科です。

 

 というのも、「簡単すぎる」のです。とっつきやすいだけで、知識面に抜けがありすぎるし、「もっと知りたい」という知的刺激があるわけでもありません。図も少ないし、何より、「載っていない知識がある」というのが、もう怖くて使いにくいのです。類似の問題集が何冊かありますが、同じような欠点を持ちます。

 僕は理科のメモリーチェックを使うときは、「このページにこれが載ってない、あの知識もいっとかなあかん」というのを踏まえ、知見を加えまくりながら全ページ解説をします。そのメモも存在します。あげるから、パワーアップバージョンを作ってほしいくらいですね(笑)

 

 つまり、これ以外にも赤シートでやるような簡単さを売りにした教材は、チェック教材としても不安です。チェックだけならコアプラスか、4科のまとめを数周する方が、成績は上がりやすいでしょう。

 もちろん、例えば塾に6年生から通う、のような方が最初にやる教材としてはかなり良いですが。

 

 大事は、「簡単なものだけでなく、少しの挑戦を入れる」ということです。特に名門校と言われる学校に行きたいならば、それが言えます。基礎的なものだけを完璧にしても、偏差値にして四谷で55が限界、サピなら42か3程度でしょう。

 

 もっと、ワンランク高い問題に日常的に挑戦し、解けなくてもよいので考えることも併せてやっておいたほうが、中高でも大きく伸びる人間になります。難題に挑戦する、というのは、なにも勉強に限ったことではありません。

 

 僕も日々、難題に直面しては一つ一つ洗い出し、つぶしていっている人生です。その原点が泣きながらやった中学受験にあるといっても、言い過ぎではないと思います。有難いことです。

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

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お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕はどんな内容でも、1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。

 

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