西鶴五人女 おなつ | 辻村寿和Collection「寿三郎」創作人形の世界

辻村寿和Collection「寿三郎」創作人形の世界

創作人形作家辻村寿三郎の作品を皆様にご紹介いたします。

西鶴五人女 おなつ
ジュサブロー館の創作日記
2001年制作
Canon EOS 7D
EF100mm F2.8 マクロUSM
撮影・目黒雅叙園

井原西鶴 好色五人女 お夏清十郎

 姫路の商人但馬屋九右衛門の妹お夏は十六歳、
都の遊女に見増す美形だが気は高く土地の男に見向きもしなかった。

この但馬屋方に手代として住み込んだ男が清十郎である。
彼は播磨の室津(姫路とさほど遠くない)の酒造業和泉清左衛門の息で、
室津の遊女と放蕩したあげく心中未遂事件をおこし、姫路へしるべを頼ってきたのである。

室津で恋人の遊女を死なせた彼は女色を絶ったつもりだったが、そんな彼にお夏は燃えた。

花見の宴の際に契りを交わした二人はままならぬ逢瀬を悩み、大阪へ海路逃避行を試みる。

主家の女と奉公人の恋は重罪である。


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西鶴五人女 おなつ
ジュサブロー館の創作日記
2001年制作
Canon EOS 7D
EF100mm F2.8 マクロUSM

不幸は但馬屋の内蔵の金子七百両が紛失した事件と重なったことにも依る。

捕らえられた清十郎は死罪となる。

事件後病に落ちていたお夏は恋人が処刑された事実を知り狂乱する。

向い通るは清十郎でないか笠がよく似た管笠が、
と歌い狂うお夏は後に出家し、庵室に隠り後世を願ったという。

西鶴五人女 おなつ
ジュサブロー館の創作日記
2001年制作
Canon EOS 7D
EF100mm F2.8 マクロUSM
撮影・目黒雅叙園