完成度高し、デンホフ2009 | 緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

完成度高し、デンホフ2009

実に間抜けな話だが、まったく同じワインを2軒の異なるワイン屋に注文していたのに気がついた、届いてから。

しかも2アイテムも。チクショーもっと注意して発注前にちゃんと確認するんだったー、と後悔しても後の祭り。

ただまぁそれはそれとして、凡ミスとは言え同じボトルが2本あるんだし、味見して期待通りに美味しかったら

残りの1本は敬愛する先輩 にもご賞味いただくとしよう。そう思いついて昨晩、日本未入荷の方(註・未確認)を

開けたのだがコイツ がどうもイケてない。いやまったく世の中というもの、思い通りにはいかないものである。


ちなみにこれまで試した2009年産のうち、諸手を挙げて称賛出来たのはグリュンハウスのQbA辛口 のみであり

他は大なり小なりそろそろフレッシュな飲み頃を過ぎつつあるのが感じ取れる、ここまではそんな状況であった。

予想以上に早く「新酒ピーク」が過ぎようとしていることに驚きつつ、もう一方の重複アイテムを開けてみた。

ナーエのヘルマン・デンホフ醸造所 のQbA辛口。頼むからもうちょっと頑張っておくれ、祈るような気持ちである。


新・緑家のリースリング日記


淡黄緑色。金属チックなニュアンスと燻製っぽさを併せ持った果実香は、青いバナナや洋梨、花梨など。

酸は小ぢんまりとしているが、凝縮感はあって余韻へと伸びる。ソリッドな鉱物味によるメリハリのある骨格。

果実味は少々青っぽさを感じさせるものの濃厚で、バランス的には最も前に出ている。これは2009年の特徴か。

全体に硬めで均整のとれた完成度の高い味筋である。ピチピチ弾けるでもなく、ドッシリと重い訳でもなく、

単調でもなく、飲み飽きもしない。そして余韻にはカチッとしたミネラルと上品な酸がたおやかにたなびくような。

抜栓してから時間が経つにつれ、噛むほどに味の出る、玄人好みのこの造り手の本領発揮といった風情。

これといった欠点は見つけ難いが、強いて言えば、時折フッと鼻先をかすめる梅の花の香りがそれだろうか。

これもまた2009年の特徴のようである。もちろんもうちょっと華やかな花の香りもあるにはあるけれども。

翌日。果実味が更に前に出たせいで骨格がふっくら穏やかに包まれて丸い輪郭。見事に飲み易くなったものの

逆に八方美人的過ぎてちょっと面白味に欠ける。それでもこの価格帯のベーシックなモノとしては文句無し。86/100


2009 Riesling Qualitaetswein trocken

Weingut Hermann Doennhoff (Oberhausen/Nahe)

A P Nr 7 753 010 24 10,Alc 12%vol,8.32€