ザール至高の酸 | 緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

ザール至高の酸

昨晩、珍しいことにシュロス・ザールシュタイン醸造所 のクリスチャン・エバート旦那からメールが届いた。

「こないだワインを送っといたから近いうちに届くと思う。2009年産は素晴らしいヴィンテージだよ、お楽しみに」

実は先月、瓶詰めが済んだら中身は任せるから出来るだけ早くお勧めをまとめて1箱送って欲しい、と

頼んでおいたのである。普段は奥さんからしかメールは来ないのに、いったいどういう風の吹き回しなんだろう。

とは言え、やっぱり好きな造り手さん本人からメールを貰うってのは何にも代え難い喜びである。


この2009年産からは、去年訪ねた際 に話を聞いたピノ・グリ(グラウブルグンダー)が初めてリリースされ、

辛口リースリングもカビネットがGrauschiefer trockenに、シュペートレーゼは"alte Reben"trockenと改称されて

ラインナップに加えられているようである。生産者が「良い出来だ」なんて言うのはアテにならないかもしれないが

とにかく早く飲んでみたいものである。そんな事考えてたら無性にザールシュタインが飲みたくなってしまった。

では2008年産シュペートレーゼ・トロッケンを開けることにする。何度か飲んでいるが自宅で開けるのは久しぶり。


新・緑家のリースリング日記


淡黄緑色。微かに酵母っぽさを留め、少しミルキーで若々しい果実香はリンゴ、パイナップル、洋梨を思わせる。

シャープで伸びが良く、切れ味抜群の酸。こいつはドイツでもNo.1の酸だろう。以前 感じた残糖感はあまりない。

酸に伍するだけの果実味はあるが、バランスはやはり断然酸である。クリーンで雑味のない味わいはまさに

グレープフルーツ。酸に隠れがちだがベースにしっかりと灰色シーファーの存在感がある。ただ時間が経っても

一本調子で複雑さに欠ける点は否めず。2時間もすると意外にもフローラルなフレーヴァーが少し顔を覗かせる。

翌日。酸は相変わらずハイテンション。食事しながらならともかく、そのままチビチビ飲んでると辛くなるほど強烈。

酸ばかりが表に出るが、時間が経過して温度が上がると漸くシーファーっぽい焦げ臭いフレーヴァーが明瞭に。

酸が効いているせいか鉱物感は重くならず。これに複雑感さえあれば鬼に金棒なのだが。87/100


2008 Schloss Saarstein Riesling Spaetlese trocken

Weingut Schloss Saarstein (Serrig/Saar)

A P Nr 3 555 014 07 09,Alc 12%vol,醸造所から直送,11.34€


そう言えば去年、奥さんのアンドレアさんからPR用にと、醸造所の写真をCDにたくさん焼いたものを頂いた。

それを眺めながら、ゼリッヒの山奥にあるザールシュタインの館を思い出しつつグラスを傾けるのも悪くない。

せっかくなので何枚かをちょっとここに紹介しよう。


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こんなの見てると、また変なムシが騒ぎ出すんだよなー。ヽ(;´ω`)ノ