ヴォルムス
の旧市街からライン川までは少々離れておりまして、
これは一説によればライン川の氾濫を避けるためということですけれど、
洋の東西に関わらず、川の流れは本来的に川の自由
ということになりましょうかね。
とまれ、ライン河畔に近付いていきますと、大きな建物がひとつ見えてきます。
「ニーベルンゲン塔(Nibelungenturm)」というもので、この塔の足元を大きな通りが潜って、
そのままニーベルンゲン橋(Nibelungenbrücke)となり、ライン川を渡っているという。
つまりニーベルンゲン塔は橋頭堡のようなものであったのでしょうかね…。
大きな目印を得て、ライン河畔までは迷いようもなく程なく到着。
あたりは「Rheinpromenade」と名付けられた川沿いの遊歩道になっておりまして、
絶好のお天気と相まって実に気分がよろしい場所なのですね。
ライン川も渓谷の方とはずいぶん変わって、おだやかな面持ちにも見えてきます。
右側の写真が上流方向を望む形ですので、そのまま行けばマンハイムに到達することに。
観光ボートの桟橋なんかもありましたですが、
この辺からの周遊となるとマンハイムの手前でネッカー川に入り、
ハイデルベルクに足を延ばすコースなどもあるようです。
と、唐突ですが、川岸間際に佇立する像を発見。
これがハーゲン記念碑(Hagendenkmal)でありましょう。
ジークフリートがニーベルンク族(小人族)から得た財宝を、
クリームヒルトに、ひいてはネーデルラントに渡さぬようにライン川に投げ込んでしまおうという、
その瞬間のブルグント王国重臣ハーゲンの姿でありますな(「ニーベルンゲンの歌
」の一節です)。
パッと見ではあまり大層なお宝にも見えませんが、
日本人が徳川埋蔵金を見るような感じで眺めるのでありましょうか。
個人的にはこの時、空腹を満たす昼食こそ最高のお宝でして、
近くにあったライン・プロムナードのテラス席で食事をとることにしたのでありますよ。
頼んだのはシュニッツェルですけれど、
肉と一緒盛りのフレンチフライ、そして奥側ひと皿のサラダが付け合せですものね。
そして、写真では分からないと思いますが、
左側のシュニッツェルは2枚重なっておるのですよ。
当然にして(?)ビールも飲みますからね、
まさにおなかはビヤ樽のような張りになるのですなあ…いやはや。
さてと、ビヤ樽解消のためにも歩いて旧市街に戻ることにするわけですが、
その前にもそっとさっきのニーベルンゲン塔に近寄っておこうかと。
よく見えるようにニーベルンゲン橋の上の歩道まで上がってみますと、
どうやら橋自体は出来立てのほやほやくらいの印象です。
車通りはさほど多くはないものの、通る車は皆スピード出してんなぁと。
もちろんここはアウトバーンではないですが、さすがにアウトバーンの国だと思ったり。
しかも、車道はニーベルンゲン塔の下を跨ぐばかりでは無かったのですなあ。
振り返れば、この通り。
ようやっとニーベルンゲン塔の全体像が見えました。
何かこう無骨で、とてもスタイリッシュとは言えない…ですが、
何やら知らず「かっちょええ」ように思えるのですよね、うまく説明できませんけれど。
上の方は対岸側から、こちらの下のはヴォルムス市街側から見たところ。
どちらかといえば市街側からの方が見目がいいかな…と、ひとりごと。
で、町の方を見やれば、やっぱり高い建物まるで無しで大聖堂
が目立つばかり。
ともかくその町の方へと帰っていくのでありました。


