第7話:ギンザ・ロキの部屋~アマラ深界・墓標の間:4/5(4周目)
★4/5話 キレイ女★
>マタドールの結界から出た直後、何処からともなく…
コダマ「何か聞こえるよー?」
>聞き覚えのある女性の声が聞こえてくる…
淑女の声「…やはりメノラー同士は引き合いましたか……」
>それは、アマラ深界で出会った喪服の淑女の声だった。
ウィルオウィスプ「キレイ オンナノ コエ!」
光介「キレイ女って…なんか妖怪みたいになってるぞ。それにしては妖怪っぽくない名前だけど」
淑女の声「光介、お願いがあります」
光介「…はい」
淑女の声「急ぐ必要はありませんが、そのメノラーをもって、私どもの所まで来て頂けますか?」
カハク「あたしたちはイケブクロに行く途中なんだってば。いい加減先に進ませて欲しいのよ!」
光介「カハク、だから怒らない…イケブクロは逃げないから」
カハク「だって、さっきはギンザに戻されて、今度はまた別のところでしょ? あたしは早くイケブクロのお店が見てみたいのよ!」
淑女の声「ターミナルを使って、アマラ深界まで転送されるようにしておきます」
光介「イケブクロの店、って…別にギンザとそんなに変わりないぞ? ターミナルと、邪教の館に回復の泉…あとは、オカマネカタのジャンクショップくらいで」
カハク「え! ジャンクショップってまたあのマネカタなの!?」
光介「一緒のマネカタかどうかは知らないけど…オカマネカタなのは間違いないな」
淑女の声「詳しいお話は……こちらに来ていただいた時にさせていただきます」
カハク「そうなの…なんだ、ワクワクして損した…」
光介「イケブクロにはマガタマも売ってないしなあ。だから、ゆっくり行っても大丈夫なんだよ」
カハク「わかった。わかったわ。コースケの好きなようにしていいから」
淑女の声「その時まで、メノラーを無くさぬようお気をつけ下さい……」
>……淑女の声は聞こえなくなった。
コダマ「お話終わっちゃったけど、いいのー?」
光介「え?ああ…ターミナルからアマラ深界に行くっていうだけの話だから、大丈夫だよ」
カハク「はあ…」
光介「それよりカハク、なんでそんなにあのオカマネカタを嫌ってるんだよ?前は慣れるようにがんばるって言ってたじゃないか」
カハク「嫌ってるわけじゃないわよ。ただ、苦手なだけ…この前会ったばっかりだから、またすぐに会うのは疲れるのよ…」
コダマ「苦手だったらしょーがないよねー」
ウィルオウィスプ「ウォレモ チョット マダ コワイ」
光介「そっか。まあ、とりあえず今からはアマラ深界だから、オカマネカタに会う心配はしなくていいぞ。んじゃ、行こうか」
>ターミナルの転送機能を使い、アマラ深界へ。
>少し進むと、また覗き穴がある。
コダマ「あ、覗き穴だー」
光介「よし、早速…」
>覗き穴の奥から、不思議な気配を感じる……
覗いてみますか?
光介「覗いてみよう」
>覗き穴の中は曲がりくねった管になっているが、フィフス・バベルたちの視界はしっかりとその奥まで見えている。
>奥は以前と同じく、劇場のようになっていた。
緞帳が上がると、中には喪服の淑女と車椅子の老紳士がいる。
喪服の淑女「……………」
ウィルオウィスプ「デタ! キレイ オンナ!」
光介「だから、その呼び方やめなさいって」
喪服の淑女「…あの魔人から、メノラーを取り戻してくれたのね、光介くん」
カハク「…あの場合、戦うしかなかったような気がするけどね…」
喪服の淑女「私が、ずっと前から思っていたとおり……君は私の力になってくれるのね」
ウィルオウィスプ「…ズット マエカラ…?」
喪服の淑女「……そう信じていたわ。たとえ世界の姿が変わっても、って……」
>喪服の淑女は、車椅子の老紳士と顔を見合わせる。
喪服の淑女「……………」
>その後、彼女はゆっくりと語り始めた。
喪服の淑女「…我が主の言葉をお伝えします」
光介「…」
喪服の淑女「あなたが手に入れたメノラー。それは我が主が持つ、大事なコレクションだったのです」
ウィルオウィスプ「フムフム ジーサンハ メノラー コレクター!」
光介「ただ集めてる、ってわけじゃないんだけどな。メノラー自体も、普通の燭台じゃない…」
喪服の淑女「メノラーはアマラ深界の流脈を制御する命の炎……」
カハク「命の炎、ですって…?」
喪服の淑女「それが恐ろしい魔人によって、何処かへ持ち去られたのです」
光介「…」
コダマ「…? コースケ、どしたのー? なんか怖い顔しちゃってさー」
光介「…え? そんな顔してたか?」
コダマ「してたよー。コースケにはそんな顔似合わないんだから、にこにこしてなよー」
光介「あ、あはは…こうかな?」
コダマ「ひきつってるよー。こうだよ、こう」
>コダマは、光介の顔を引っ張った。
光介「いたたたたっ! ちょっと、痛いって!」
カハク「もう、静かにしてよ! あたしマジメに聞いてるんだからね!」
喪服の淑女「それを手にした者は、このアマラ深界を自在に行き来する力を得ます」
カハク「…コースケが、ターミナルを使ってここにこれたのと一緒だわ…」
喪服の淑女「しかし、それは誰彼無しに許された事ではありません。ここは本来、我が主が許した者しか足を踏み入れることが出来ぬ、禁忌の場所なのです」
コダマ「キンキって、オーサカとかナラとかキョウトとかがあるトコ?」
光介「そりゃ近畿だな。字が違うよ…もともとは『来ちゃダメ!』な場所、ってことさ」
コダマ「ふーん。でもボクたち、こうしてこれてるよね?それって、ボクたちがトクベツだから?」
光介「そうだね。だからこそ俺たちは、マタドールと戦うことにもなったんだ」
カハク「…」
>喪服の淑女は、車椅子の老紳士に近付く。
喪服の淑女「そこで、あなたにお願いしたいのです」
ウィルオウィスプ「ウォネガイ イッテミロ! ウォレ キイテヤッテモ イイゾ!」
カハク「黙って聞きなさいよ、ホントに…」
喪服の淑女「そのメノラー、本来アマラの各層を照らす生命の炎を……取り返し、アマラ深界に戻して頂けないでしょうか?」
コダマ「マタドールみたいなヤツと戦って、メノラーを取り戻せってこと?」
光介「ざっくり言えば、そういうことだね」
喪服の淑女「それが我が主の願いです」
カハク「…」
喪服の淑女「全部で10と1本あるメノラーを取り返す事。それをしていただけるなら、あなたがアマラ深界に出入りする事を許しましょう」
ウィルオウィスプ「ナルホド。 ヨウスルニ マジンドモ タオセバ イインダナ」
光介「簡単じゃないけど、まあ…やるしかないんだよな。ここではレベル上げもできるし、アイテムも手に入るから」
喪服の淑女「あなたにとっても損ではない話だと思われますが如何でしょう。頼まれて、頂けますか?」
カハク「損がない、っていうのはそういう意味ね。確かに…強くなることを考えたら、魅力的な話なのかも」
光介「どうした?いつになく、オトナな話してるじゃないか」
カハク「あたしだっていつまでもコドモじゃないわ。さすがのあたしも、ここじゃさすがにマジになるわよ…ヤバい気配を、かなり感じるんだから」
光介「…さすがいい勘してるな」
喪服の淑女「…光介くん?」
光介「あ、ああ、えーっと…もちろんやらせていただきます」
喪服の淑女「ありがとう…光介くん」
光介「いえ…」
喪服の淑女「君なら……いえ、あなたなら、そう言ってくれると信じていました」
ウィルオウィスプ「ドーシタ? コースケ。 キレイオンナ エガオ。 コースケモ エガオ ナレ」
光介「あははは…こう?」
ウィルオウィスプ「…ナンカ チガウ」
喪服の淑女「あなたに1つのメノラーを渡したのは、メノラー同士が引き合う力を持っているからです」
カハク「あたし…この人、好きになれないわ」
喪服の淑女「それを手にしていれば、いずれ全てのメノラーを見つけ出す事が出来るでしょう」
光介「どうしてさ?」
カハク「だって、マタドールと戦うことになるのをわかってて、メノラーをコースケに渡したんでしょ?」
光介「まあ、そうだな…」
カハク「信じてた、なんて言いながら…なんかズルい。あたし、こういう人は好きになれない。オカマネカタは苦手だけど、この人はそういうんじゃない」
光介「…」
カハク「コースケがどう思ってるかは知らないけど、あたしはキライ。やり方が…なんかズルいわ」
光介「そう…だな」
喪服の淑女「メノラーを取り戻したら、アマラ深界の各階層に配して下さい。各層に配する毎に、その働きに報いていきたいと考えております」
コダマ「ムクイテ…? って、なーに?」
光介「いろいろ教えてくれるってことだよ。情報を教えてくれるってことだね」
コダマ「何かくれるんじゃないのー? ジョーホーとか言われても、ボクにはよくわかんないよ」
喪服の淑女「あなたがたの世界でのアマラの天輪鼓、トウキョウでターミナルと呼ばれる装置。それにメノラーをかざす事で、この地と自在に行き来する力を得るでしょう」
ウィルオウィスプ「サッキ ミタイニ ターミナルデ コイッテ コトダナ」
光介「ああ、そういうことだな」
喪服の淑女「それでは、くれぐれもお気をつけて…」
>大きな緞帳が閉じていった。
>喪服の淑女は、車椅子の老紳士に語りかける。
喪服の淑女「…これで準備はすべて整いました。我らが選びし魔人が、全ての死を乗り越えられるのか……」
>フィフス・バベルたちには、その声は聞こえていない。
喪服の淑女「そして新たな悪魔が誕生するのか…見守ることに致しましょう」
>車椅子の老紳士は目を閉じ、小さく笑みを浮かべた。
>そして、アマラ深界・各カルパへ通じる穴への道が開いた。
コダマ「なんか開いたよー?」
光介「これで、アマラ深界の中へと入っていくことができるぞ。ザコたちはギンザ大地下道よりかなり強いから、ちゃんと気を付けて行こうな」
ウィルオウィスプ「ココガ マカイ…! ウォレ ココデ サラニ サイキョウ ナル!」
カハク「あたしも強くなるわ…利用されるだけなんて、イライラするもん!」
光介「ここには大事な用もあるし、のんびりと行こう。それじゃ、中に入るぞ…!」
>フィフス・バベルたちは、アマラ深界・第1カルパへと入って行った…
>5/5話へ続く…
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>マタドールの結界から出た直後、何処からともなく…
コダマ「何か聞こえるよー?」
>聞き覚えのある女性の声が聞こえてくる…
淑女の声「…やはりメノラー同士は引き合いましたか……」
>それは、アマラ深界で出会った喪服の淑女の声だった。
ウィルオウィスプ「キレイ オンナノ コエ!」
光介「キレイ女って…なんか妖怪みたいになってるぞ。それにしては妖怪っぽくない名前だけど」
淑女の声「光介、お願いがあります」
光介「…はい」
淑女の声「急ぐ必要はありませんが、そのメノラーをもって、私どもの所まで来て頂けますか?」
カハク「あたしたちはイケブクロに行く途中なんだってば。いい加減先に進ませて欲しいのよ!」
光介「カハク、だから怒らない…イケブクロは逃げないから」
カハク「だって、さっきはギンザに戻されて、今度はまた別のところでしょ? あたしは早くイケブクロのお店が見てみたいのよ!」
淑女の声「ターミナルを使って、アマラ深界まで転送されるようにしておきます」
光介「イケブクロの店、って…別にギンザとそんなに変わりないぞ? ターミナルと、邪教の館に回復の泉…あとは、オカマネカタのジャンクショップくらいで」
カハク「え! ジャンクショップってまたあのマネカタなの!?」
光介「一緒のマネカタかどうかは知らないけど…オカマネカタなのは間違いないな」
淑女の声「詳しいお話は……こちらに来ていただいた時にさせていただきます」
カハク「そうなの…なんだ、ワクワクして損した…」
光介「イケブクロにはマガタマも売ってないしなあ。だから、ゆっくり行っても大丈夫なんだよ」
カハク「わかった。わかったわ。コースケの好きなようにしていいから」
淑女の声「その時まで、メノラーを無くさぬようお気をつけ下さい……」
>……淑女の声は聞こえなくなった。
コダマ「お話終わっちゃったけど、いいのー?」
光介「え?ああ…ターミナルからアマラ深界に行くっていうだけの話だから、大丈夫だよ」
カハク「はあ…」
光介「それよりカハク、なんでそんなにあのオカマネカタを嫌ってるんだよ?前は慣れるようにがんばるって言ってたじゃないか」
カハク「嫌ってるわけじゃないわよ。ただ、苦手なだけ…この前会ったばっかりだから、またすぐに会うのは疲れるのよ…」
コダマ「苦手だったらしょーがないよねー」
ウィルオウィスプ「ウォレモ チョット マダ コワイ」
光介「そっか。まあ、とりあえず今からはアマラ深界だから、オカマネカタに会う心配はしなくていいぞ。んじゃ、行こうか」
>ターミナルの転送機能を使い、アマラ深界へ。
>少し進むと、また覗き穴がある。
コダマ「あ、覗き穴だー」
光介「よし、早速…」
>覗き穴の奥から、不思議な気配を感じる……
覗いてみますか?
光介「覗いてみよう」
>覗き穴の中は曲がりくねった管になっているが、フィフス・バベルたちの視界はしっかりとその奥まで見えている。
>奥は以前と同じく、劇場のようになっていた。
緞帳が上がると、中には喪服の淑女と車椅子の老紳士がいる。
喪服の淑女「……………」
ウィルオウィスプ「デタ! キレイ オンナ!」
光介「だから、その呼び方やめなさいって」
喪服の淑女「…あの魔人から、メノラーを取り戻してくれたのね、光介くん」
カハク「…あの場合、戦うしかなかったような気がするけどね…」
喪服の淑女「私が、ずっと前から思っていたとおり……君は私の力になってくれるのね」
ウィルオウィスプ「…ズット マエカラ…?」
喪服の淑女「……そう信じていたわ。たとえ世界の姿が変わっても、って……」
>喪服の淑女は、車椅子の老紳士と顔を見合わせる。
喪服の淑女「……………」
>その後、彼女はゆっくりと語り始めた。
喪服の淑女「…我が主の言葉をお伝えします」
光介「…」
喪服の淑女「あなたが手に入れたメノラー。それは我が主が持つ、大事なコレクションだったのです」
ウィルオウィスプ「フムフム ジーサンハ メノラー コレクター!」
光介「ただ集めてる、ってわけじゃないんだけどな。メノラー自体も、普通の燭台じゃない…」
喪服の淑女「メノラーはアマラ深界の流脈を制御する命の炎……」
カハク「命の炎、ですって…?」
喪服の淑女「それが恐ろしい魔人によって、何処かへ持ち去られたのです」
光介「…」
コダマ「…? コースケ、どしたのー? なんか怖い顔しちゃってさー」
光介「…え? そんな顔してたか?」
コダマ「してたよー。コースケにはそんな顔似合わないんだから、にこにこしてなよー」
光介「あ、あはは…こうかな?」
コダマ「ひきつってるよー。こうだよ、こう」
>コダマは、光介の顔を引っ張った。
光介「いたたたたっ! ちょっと、痛いって!」
カハク「もう、静かにしてよ! あたしマジメに聞いてるんだからね!」
喪服の淑女「それを手にした者は、このアマラ深界を自在に行き来する力を得ます」
カハク「…コースケが、ターミナルを使ってここにこれたのと一緒だわ…」
喪服の淑女「しかし、それは誰彼無しに許された事ではありません。ここは本来、我が主が許した者しか足を踏み入れることが出来ぬ、禁忌の場所なのです」
コダマ「キンキって、オーサカとかナラとかキョウトとかがあるトコ?」
光介「そりゃ近畿だな。字が違うよ…もともとは『来ちゃダメ!』な場所、ってことさ」
コダマ「ふーん。でもボクたち、こうしてこれてるよね?それって、ボクたちがトクベツだから?」
光介「そうだね。だからこそ俺たちは、マタドールと戦うことにもなったんだ」
カハク「…」
>喪服の淑女は、車椅子の老紳士に近付く。
喪服の淑女「そこで、あなたにお願いしたいのです」
ウィルオウィスプ「ウォネガイ イッテミロ! ウォレ キイテヤッテモ イイゾ!」
カハク「黙って聞きなさいよ、ホントに…」
喪服の淑女「そのメノラー、本来アマラの各層を照らす生命の炎を……取り返し、アマラ深界に戻して頂けないでしょうか?」
コダマ「マタドールみたいなヤツと戦って、メノラーを取り戻せってこと?」
光介「ざっくり言えば、そういうことだね」
喪服の淑女「それが我が主の願いです」
カハク「…」
喪服の淑女「全部で10と1本あるメノラーを取り返す事。それをしていただけるなら、あなたがアマラ深界に出入りする事を許しましょう」
ウィルオウィスプ「ナルホド。 ヨウスルニ マジンドモ タオセバ イインダナ」
光介「簡単じゃないけど、まあ…やるしかないんだよな。ここではレベル上げもできるし、アイテムも手に入るから」
喪服の淑女「あなたにとっても損ではない話だと思われますが如何でしょう。頼まれて、頂けますか?」
カハク「損がない、っていうのはそういう意味ね。確かに…強くなることを考えたら、魅力的な話なのかも」
光介「どうした?いつになく、オトナな話してるじゃないか」
カハク「あたしだっていつまでもコドモじゃないわ。さすがのあたしも、ここじゃさすがにマジになるわよ…ヤバい気配を、かなり感じるんだから」
光介「…さすがいい勘してるな」
喪服の淑女「…光介くん?」
光介「あ、ああ、えーっと…もちろんやらせていただきます」
喪服の淑女「ありがとう…光介くん」
光介「いえ…」
喪服の淑女「君なら……いえ、あなたなら、そう言ってくれると信じていました」
ウィルオウィスプ「ドーシタ? コースケ。 キレイオンナ エガオ。 コースケモ エガオ ナレ」
光介「あははは…こう?」
ウィルオウィスプ「…ナンカ チガウ」
喪服の淑女「あなたに1つのメノラーを渡したのは、メノラー同士が引き合う力を持っているからです」
カハク「あたし…この人、好きになれないわ」
喪服の淑女「それを手にしていれば、いずれ全てのメノラーを見つけ出す事が出来るでしょう」
光介「どうしてさ?」
カハク「だって、マタドールと戦うことになるのをわかってて、メノラーをコースケに渡したんでしょ?」
光介「まあ、そうだな…」
カハク「信じてた、なんて言いながら…なんかズルい。あたし、こういう人は好きになれない。オカマネカタは苦手だけど、この人はそういうんじゃない」
光介「…」
カハク「コースケがどう思ってるかは知らないけど、あたしはキライ。やり方が…なんかズルいわ」
光介「そう…だな」
喪服の淑女「メノラーを取り戻したら、アマラ深界の各階層に配して下さい。各層に配する毎に、その働きに報いていきたいと考えております」
コダマ「ムクイテ…? って、なーに?」
光介「いろいろ教えてくれるってことだよ。情報を教えてくれるってことだね」
コダマ「何かくれるんじゃないのー? ジョーホーとか言われても、ボクにはよくわかんないよ」
喪服の淑女「あなたがたの世界でのアマラの天輪鼓、トウキョウでターミナルと呼ばれる装置。それにメノラーをかざす事で、この地と自在に行き来する力を得るでしょう」
ウィルオウィスプ「サッキ ミタイニ ターミナルデ コイッテ コトダナ」
光介「ああ、そういうことだな」
喪服の淑女「それでは、くれぐれもお気をつけて…」
>大きな緞帳が閉じていった。
>喪服の淑女は、車椅子の老紳士に語りかける。
喪服の淑女「…これで準備はすべて整いました。我らが選びし魔人が、全ての死を乗り越えられるのか……」
>フィフス・バベルたちには、その声は聞こえていない。
喪服の淑女「そして新たな悪魔が誕生するのか…見守ることに致しましょう」
>車椅子の老紳士は目を閉じ、小さく笑みを浮かべた。
>そして、アマラ深界・各カルパへ通じる穴への道が開いた。
コダマ「なんか開いたよー?」
光介「これで、アマラ深界の中へと入っていくことができるぞ。ザコたちはギンザ大地下道よりかなり強いから、ちゃんと気を付けて行こうな」
ウィルオウィスプ「ココガ マカイ…! ウォレ ココデ サラニ サイキョウ ナル!」
カハク「あたしも強くなるわ…利用されるだけなんて、イライラするもん!」
光介「ここには大事な用もあるし、のんびりと行こう。それじゃ、中に入るぞ…!」
>フィフス・バベルたちは、アマラ深界・第1カルパへと入って行った…
>5/5話へ続く…
→ト書きの目次へ