看護計画とSOAPの絶対的な関係
■看護計画とSOAPの絶対的な関係
こんにちは、上田由香里です。
ここのところ、SOAPに関する質問をたくさん頂きます。
「SOAPの書き方がよくわかりません」という場合、必ずお伝えしていることがあります。
SOAPは、書き方(書く方法)の前に「何を書くべきなのか」ということを理解していないといけません。
看護計画を実施したあと、その「評価」を書くときにSOAPを使いますね。
看護過程を展開する上で、「評価」のポジションを確認してみましょう。
情報取集
→情報分析(情報のもつ意味を考える)
→看護問題(問題点、ニーズ)を明らかにする
→看護計画を立てる →看護計画を実施する
→実施した看護を評価する
→計画内容を見直し、必要であれば新たな情報収集をする ・・・という繰り返しですね。
評価のポジションを確認するために、看護過程をどんどんさかのぼってみてください。
評価をするためには、評価の対象である、看護計画があるはずです。
その看護計画は、看護問題ごとに別々になっているはずです。
つまり、評価=SOAPは、看護問題ごとに書くべきものなんですね。
例を挙げると、誤嚥のリスクがあるという、看護問題があるとします。
S⇒誤嚥のリスクに関係する、患者さんの発言
O⇒誤嚥のリスクに関係する、観察した項目、測定値、検査値などの客観的な情報
A⇒誤嚥のリスクに関係する、うえのSとOから判断したこと(※アセスメントについては、コチラを参照してください)
P⇒判断したことから、誤嚥を予防するために、今後どうするのかという具体的なプラン
このように、「テーマ」ともいえる、看護問題にそって、SOAPを書くのが大原則です。
次の記録を比べてみてください。どちらが、正しいSOAPでしょう?
【その1】
S:昨日はなんだか、眠れなかったんです。そのせいかしら、少し頭がぼーっとしています。
O:湿性咳嗽あり 肺雑音なし 朝食は自力で8割摂取 誤嚥はなく、しっかり嚥下したあとに次の1口を運んでいた 総タンパク7.2g/dl アルブミン4.0g/dl
A:栄養状態は良好である。昨夜、十分な睡眠がとれなかった様子。ケアの予定について、再度患者と相談する
P:毎食前に手浴を実施する
【その2】
S:リハビリのおかげか、最近むせることが少なくなりました。自分でも気を付けています。
O:湿性咳嗽あり 肺雑音なし 朝食は自力で8割摂取 誤嚥はなく、しっかり嚥下したあとに次の1口を運んでいた 総タンパク7.2g/dl アルブミン4.0g/dl T:36.6℃
A:誤嚥性肺炎の兆候は見られない。患者自身も誤嚥予防を意識しており、安全に食事摂取できている。栄養状態も良好に保持できていることから、嚥下機能は改善傾向にあると言える。ただし、湿性咳嗽が見られるため、痰の誤嚥を予防するために、適宜排痰することを指導していく
P:排痰の必要性、方法を指導する
SOAPの意味はわかっているけど、書けないというときには、「看護問題」に沿って書かれていないために、ひとつのSOAPの中に、いろんな情報が散在している可能性があります。
まずは、あるひとつの「看護問題」に沿って書く、ということを意識してみましょう。