必見!そもそもアセスメントってなに? | 実習記録に振り回されない看護過程の学び方

必見!そもそもアセスメントってなに?

■必見!そもそもアセスメントってなに?


こんにちは、上田由香里です。


今日は、こんな学生さんに朗報です。


「看護過程を展開するには、どうやら【アセスメント】っていうのが、重要らしい。それは、わかった。・・・っで、アセスメントってなに?」


紙上患者さんで、看護過程を展開するとき、授業の中で先生が「アセスメントの例」を見せて下さることがありますよね。


ただ、それを見たら、アセスメントができるかというと、そうではありません。


アセスメントの方法を知らないと、アセスメントはできません。


「こんなふうに考えて、こうやって書くと、例】のようなアセスメントの内容になりますよ」という説明の前半部分が大事なんですね。


例えば、おいしそうなゴージャスなケーキが、あなたの目の前にあるとします。


「これと同じものをつくってください」と言われたら・・・それもレシピなしで。


できあがったアセスメントの例を見て、アセスメントができるということは、できあがったケーキを、見ただけでつくれるのと同じことなんです。職人ワザですよね。


職人になるまでは、レシピが必要なんです。


つまり、アセスメントができるようになるコツは、基本的な方法に沿って「やってみる」ことです。


何度も、何度も、基本的な方法を使って、アセスメントをしてみてください。


そこで、そもそもアセスメントってなに?という話です。


アセスメントとは、患者さんを把握するために必要な情報を集めること。そして、それらの情報の意味を考えることです。


「情報の意味を考える」とは?


今日のポイントはココです。


アセスメントに書く内容は、「考えた情報の意味」になります。


では、どうやって情報の意味を考えるのか。


1.分析:起きている症状、状態がなぜ起こったのか、原因を考える


例)入院前までは、十分な食欲があったのに、今はほとんど食事に手をつけておられない。なぜ?


2.推測:今ある情報から、今後起こりうることを考える


例)手術後にベッド上での安静が必要。自分で動けないことによって、どんなことが予測できる?


3.判断:今ある情報を「これは、つまりこういうことだ」と、自分の考えを決める


例)血圧190/88mmHg→高い、血中のアルブミン3g/dl→低い


これらは、情報ひとつずつに行うわけではありません。


この情報とこの情報と、この情報を合わせると、こんなことが予測できるという結論になることもあります。


また、3の判断に近いですが、「明らかな根拠はないけれど、これはこんなふうに言えるんじゃないかな」とうアセスメントもアリです。


患者さんの心理面を考える場面で、あてはまることがあるかもしれませんね。


まずは、事例を使って、この3つの視点で「情報のもつ意味」を考えてみましょう。


やみくもに、「こんな感じでいいかな」と書いた内容とでは、随分違いがあるはずです。


なにより、自分が書きやすいと思います。「何を書けばいいのか」を、わかっているので。


今自分が持っている情報があって、それらをこの方法でアセスメントする。その結果、こんな介入が必要だ、とつながっていきます。


つまり、アセスメントとは「看護介入を見極めるために」おこなう重要な作業なんですね。


正しい方法でアセスメントができると、アセスメント―看護目標―計画の間にずれがなくなります。自然と、看護目標が見えてくるはずなんです。


看護過程の最初の部分:アセスメントができないと、そのあとの計画までもが、根拠のないバラバラな内容になってしまいます。


ただ、アセスメントの内容は完璧である必要はありません(^-^)


まずは、3つの視点で「情報の意味を自分なりに考える」ことが大切です。そこに、後から気がついたことを追加したり、アドバイスを参考に修正をしたりできれば十分です。


その「自分なりに考える」というのが、実は面倒な作業なんですけどね。


面倒ですが、何度も繰り返すうちに、必ずできるようになります。アセスメントできる思考になってきます。


アセスメントとして記録用紙に書く前から、情報を見つけては、3つの視点で「考える」ことをクセにしましょう。


情報:いつもは6時起きなのに、今日は6時半。


判断:「ヤバイ!寝坊した」


推測:「遅刻するかも」


分析:「アラームをセットし忘れたからだ・・・」


こんな感じに(^-^)


自然と介入が見えてきますよね。