漆塗ヘルメット誕生秘話 ~一喜一憂編~
『お力になれません』
その一言でかなり落胆していました。
すべてが終わったかのように。
そんな時、奥さんの『もともと野寺さんにプレゼントする事が目的だったんだから』
その一言で目が覚めました
そうだ当初の目的だけは達成しよう
イベントに被ってもらえさえすればそれで満足だったはずでした。
それが、いつの間にか欲が出て商品として考えるようになり、そのことばかりで本末転倒になっていたのかもしれません。
まず、野寺さんに喜んでもらえるものを作ろう。
見た目だけでなく中身も確実なものを作るため漆の付着性、耐久性を検査機関に依頼しました。
しかし・・・その返事は・・・
『漆の付着性はあまり良くありません』というものでした。
もともと、木ではない物に漆を塗るのだから、木と同じ事を求めるのは無理なことなのです。
解決策を教えていただき、問題はクリアできました。
一つのものを完成させるには、想像以上の障害があるもので、一人の力ではけっして成しえないものだと
痛感しています。
一人で考えていると、まず間違いなく悪い方向に傾きそうになります。
そんな時、誰かと話をするといつの間にかアイデアも生まれ前向きにもなれます。
浮かんでは、また現れる問題点を一つ一つ 腐らずに解決してゆくことが大事ですね。
問題が山積みなのは当たり前です。初めてのことなのだから・・・
チタン粉での下書き
現段階での出来る限りの強度を保った上で、工芸品としてのメンテナンスをしていけば使っていも問題ない。
それが、『漆塗ヘルメット』なのだと。
完成させて、検査機関の再試験データをもう一度OGK KABUTO様に送ろう。
ダメモトデ。完成間近となったある日、OGK KABUTO様より一本の電話が鳴りました。