136.卒業式・春休みそして入宮 ~突然キラリと降りてきた閃きみたいに思い出したの | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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前のお話→135.ペクイギサ ~嗚呼…面倒だ! 後を追ってパビリオンに出てみたが
このお話は チェギョ目線ですl

ユル先輩達三年生の卒業式
韓国始まって以来の皇子二人の送辞と答辞!
二人ともすっごくカッコ良くて!!スニョンやヒスン達皇室マニアは勿論 誰もがみんなうっとりしてた
皇室広報部は勿論 国営放送のテレビクルーも来て 皇子二人の送辞と答辞は午後から夜のニュース 更に週末のニュースまで取り上げてた

だけどさぁ…ちょうどその頃 二つのお花見会が会ったのよ…春休みのに前に梅 春休み中に今度は桜のお花見会も有って…コレがまた大変だったの
王族会のおじちゃんやおじいちゃん達が 代わる代わる挨拶にくるんだけど…
この中には 自分の娘を殿下のお嫁さんに出来なくて あたしを嫌ってる人も多いのだろうに…
二日前にファイルを見せられたって 顔も名前もちっとも覚えられなくて…
オマケに梅見会の直後には学年末試験もあって 試験勉強も重なってたから どっちにも集中出来なくてボロボロ…
英語が赤点で追試に成っちゃったよ~(ToT)
まあ追試にはなんとか合格して 春休補習は免れたけどね
あたしっていっつもバタバタギリギリのヒヤヒヤなのよ
なのにシンくんは試験勉強なんて高校受験以来したこと無いって…(゜д゜;)スゴイッ
コツは 公務で何処に行った日に学んだことだとか 誰とどんな話をした日に学んだことだとかを記憶しておくんだって …それってあたしだったら余計シンドイわぁ~(  ̄▽ ̄;)
ま あたしにはあたし向きに 色と絵で覚える方法を助言してくれたから それだけでも感謝だよ!:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

桜のお花見は 無事進級が決まってたから 少しは心穏やかに お花も楽しめるかと思ったんだけど… なんとあたしは ずっと伽耶琴(カヤグム)で一曲だけ練習していた曲を披露したの!ドッキドキだったわ~(;@_@;)
ユル先輩が「上手いね」なんて持ち上げるから

「正直コレしか弾けないんですσ(^―^;)」って言ったら笑ってた
でね?! なんとシンくんに 「お前にしては上出来だ」って 褒められちゃった

やった!イェイッV(>▽<)V ☆

お前にしてはは余計だけどね~q(-へ-)p

だけどね…
雪解けして 春休みが終わる前に いよいよあたしは 入宮する事になったの
東宮殿にすっかり馴染んだのは確かなんだけどね
景福宮内の東宮殿にお引っ越し…それはもう家へは帰らないって事…
チェジュンが「姉ちゃんが居なくなって一人ゆったり部屋が使える!」って喜ぶから 「ふ~んだ!あたしなんてすっごい広いお部屋に引っ越すんだからね~だ!」って言い返したけど…
やっぱりウチを離れるのはちょっぴり不安…

占いによって決まった国婚式は あたしとシンくんの誕生日を終えた六月十日土曜日
妃宮の部屋に住み始めたら…
国婚式までの間に国婚式の手順も覚えなきゃだし 書筵堂(ソヨンダン)で更にみっちり妃教育だよ… 本当に毎日がハードスケジュールになる


次の講義まで自習していてくださいと去っていったチェ尚宮お姉さんの背中を見送り
大きく溜め息をついて空を見上げる
「はあぁ~~~」
視線の先のお庭を遠くから歩いてくる背の高い男の子… あ…シンくんだ…
え?こっちに向かってくる?あたしは焦ってわざと余所を向いた
「おいおまえ… 背中に羽でも生やして飛んで行きそうな勢いだな…」
え?なんで?あたしはキョロキョロと背中を振り返ってみる
「ばかだな 空なんか見上げても飛べないぞ お前の背中には荷物が山ほど積み上げられているんだからな」
むぅぅ… あたしは眉をひそめて無言で口を尖らせた
そしたらシンくんが近づいてきて
うわぁっ!
あたしの唇を人差し指でグイッと押し戻し 超イジワルな顔してふんって鼻で笑った!もうっ!何すんのよ!
「ほら差し入れだ」と言いながら 板間に 紙袋を置いた あ もしかして…
上から覗き込むと やっぱり 色とりどりの包み紙の 飴やチョコレートが入っている
「ユル兄さんがしつこいんだ お前に優しくしろと」とそっぽ向いたまま言った
またそれ? 現れた瞬間ちょっぴりときめいたのに…あくまで自分の意思ではないと主張するのね…
あたしは次に来るセリフに傷つかないように身構える
いつもこうだ
「進んでるのか?」
「あ ねえ丁度良かった コレなんだけど… どういう意味?ですか?」
「どれだ」
「「あ゛ぁっ!!」」
あたし達の額がゴツンと鈍い音を立ててぶつかった
二人して額を押さえてうずくまる
「こんの石頭がっ!」
「だぁって…殿下が近づいてくると思ってなかったから…」
「ったく…どれだ 早く見せろ」
額を押さえたまま涙目で手を出す姿がなんか可愛い…
「笑ったなこのっ!」シンくんが拳を振り上げる
「きゃっ」と身をかがめるあたしの頭にポスンとシンくんの掌が着地した
そのまま反対の左手で奪い取った論語の教科書を読み上げる

「子曰わく(シイワク) 学(マナ)びて時(トキ)にこれを習(ナラ)う 亦(マ)た説(ヨロコ)ばしからずや
朋(トモ)あり 遠方(エンポウ)より来(キ)たる 亦(マタ)楽(タノ)しからずや
人知(ヒトシ)らずして慍(ウラ)みず 亦君子(マタクンシ) ならずや」
な~んだ 教えてくれるのか! ふんふん…
「孔子はおっしゃった 
古来からの良き教えを学び それをいつも実践することは喜びである
同じ教えを共有する人が遠くからやって来ること これは実に楽しいことだ
人に認められなくても気にしない それが君子というものである」
スラスラと発せられる低い声が耳に心地よくて目を閉じたまま聞いていたら

「聞いてるのか? まだこんなところをやってるのか? 先は長いな…」
といいながら わしわし頭を撫で回す つ…強いよ!
うそ!もしかしてわざとなの?!綺麗に結われた髪をくしゃくしゃに?! ちょ!ちょっとぉっ!
目を開いて 握り拳を振り回したら 頭の上の手にグッと力を込めて動けないように抑えられた
「むうぅぅぅぅっ!」
腕を振りまわしても シンくんをパンチするには至らない
「はっ 強気だな いいぞ ほらほらその意気だ おっと 講師がお出でだぞ じゃあな…」
なんておちょくってヒラヒラ手を振って去って行った こんのぉ~っ!!
「殿下の意地悪ぅ~っ!!」あたしはシンくんの背中に向かって叫んだ
「妃宮さま!どうされたんですかその御髪(オグシ)は!」チェ尚宮お姉さんが目を丸くしている
うそーん そんなにヒドイのっ?!
「オンニー 殿下がぁ~」
チェ尚宮お姉さんがペッシテンギを外して 綺麗に結いなおしてくれる間あたしは想いを巡らせる
ほんっとシンくんの意地悪は 子供の頃から全然変わってない!

そう あたしは今 突然キラリと降りてきた閃きみたいに思い出したの コンナコト…マエニモアッタ…
真面目に 一生懸命 難しい漢字の本を読んでたあたしの頭をグリグリして グチャチャにしたあの子は…シンくん…
そっか…あたし達…ホントに一緒に住んでて 一緒に勉強して一緒に遊んでたんだ…

いよいよ入宮の前夜になって
あたしは思い切ってオンマに聞いてみた…

 

 

 

 

今日もお読み頂き ありがとうございます
韓国は三月二日に新学期が始まるので
春休みは二月二十日頃から三月一日までだそうです
なのでちょっと…桜桜の季節には少し早いのですが 申し訳ありませんミアネ
※ペッシテンギ=韓国風の飾りが真ん中について両脇が三つ編みのようになった髪飾り
カチュームみたいなもの(下のペタボタンでチェギョンが着けてます)

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137.秋から冬 冬から春の心模様 ~だってあたし達まだ高校二年生よ!