36.初雪デート~全然本気にしてくれないんだね チェギョン… | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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かならず はじめまして を お読みください
前のお話→35.漢江のほとりで ~その揺れる様を ただじっと見ていた…
このお話は 34.まさかのWデート?!~実は俺 チェギョンが好きなんだ  に続くチェギョ目線のお話です

あたしの好みは背がスラッと高くて~男らしくて…王子様みたいな…
あ そうそう あたしの好みはそうそう丁度こんな感じ… って じぇじぇじぇ~~~?!
あたしは目の前に 信じられないモノを見つけた
「おっ!」ファンくんが驚き
「えぇぇっ!」あたしもようやく声が出た

そこには皇太子殿下で アルフを拾ってくれたイ・シンくんが立っていたの!もう驚き!!
「シンじゃないか~!」
そっか 皇太子殿下のご友人だもんねファンくん…
殿下に向かって 人懐っこい可愛い笑顔を向けるファンくん
「…ファンか…?」薄暗くなってきたせいか 顔をしかめてファンくんを見つめてる
その顔をあたしはファンくんの一歩後ろからじっと見つめちゃった
だってそんな訝しげな顔さえも やっぱり綺麗なんだもの…
初めて会ったあの美術館でも そう思ったの はっきり覚えてる
ちょっと不機嫌だったけど こんな綺麗な顔の男の子初めて見た…って

「シンがなんでこんなとこに?」率直なファンくんの疑問にはあたしも同意~!そうだよ!なんで?!
「ああ…いや…公務の帰りに…ちょっと寄っただけだ… お前はデート…みたいだな…」
そう言って顎を擡げて 後ろに立つあたしを示す …あ…やっぱ…そう見えます?
「え?…あ…ああ…デートっちゃあデートだけど…」
そう いつの間にか繋いで 今も繋いだままの手を パッと放すファンくんが焦って笑ってる
だってそんなんじゃないから!!
だけど シンくんは俯き加減で何も言わず じっと離れたあたし達の手元を見てた
隠し事がバレたみたいな顔で チラリとあたしを振り返るファンくん…
やだ…完全に誤解されちゃった感じ?なんかまずいの?…う~ん…ファンくん…ごめんね…

そこへ背の高い シンくんより更に大きな黒服のお兄さんが近づいてきて耳打ちした
「すでに殿下にお気づきの人が…人が集まる前にお戻りください…」
そりゃぁ黒塗りのおっきな車が二台と背の高いイケメン殿下 更にでっかい黒服のお兄さんたち…
初雪も降り始めたカップルだらけの公園入口にしては 異様な光景だよね…
「ふん…そういうことだ… 悪いなファン…また明日…」
「うん!お疲れ~!」
くるりと踵を返したシンくんが乗り込むと 車はすぐに走り去ってしまった

「あ~あ 誤解されちゃったね」殿下の乗った車を見送るファンくんの背中に向かって言ったあたしを くるりと振り返って困った顔をするファンくん
「あ~ ごめんねチェギョン ヤだった?」
「あはは イヤってことは無いけど あたし達ホントに付き合って無いし ppp」
ファンくんは一瞬大きく目を見開いて ふんわりと笑う
「くくくっ ダネ!あ でも今日は俺のヨジャチングなんだからね♪」
「も~ そうゆうこと言わないの!女の子を勘違いさせちゃうよ~」
「そう?」ピンと立てた人差し指を唇にあてて何か思いを巡らせている
そんな仕草までなんだか女子っぽい ふふふ
「ファンくんって ほ~んと女の子っぽいのに 女の子好きなのね」
「あ!失礼しちゃうな~!俺はこう見えても立派にナムジャなんだよぉ~!可愛い女の子が大好きなオオカミなんだから!」
そういってあたしの両肩をガシッと掴む目も 笑ってて全然怖くない
「誰でもいいわけじゃないよ?可愛い子限定」
「うふふ」 また笑っちゃったあたしに 肩を掴んだままファンくんが言った

「全然本気にしてくれないんだね…チェギョン 俺ってそんなに男らしくない?」
その表情は なんだかすごく切ない顔… 今にも泣きだしそうな…苦しそうな…
どうしちゃったんだろう…?
「ファン…くん?」あたしは不安になって覗き込むと
肩を掴む両手の力が弱まってきて 表情も徐々に元に戻ってくる…
「あ…うん…ごめん… あ!やだな~ ツリーもう点灯しちゃった 着く瞬間を見逃しちゃったね」 あ いつものファンくんに戻った
「あ~ 残~念~」あたしも言った
「雪 強くなってきたね 帰ろっか?」ファンくんは何事も無かったかのようにスッと手を差し出す
「うん!」あたしは伸ばされたファンくんの手を なんの違和感も無くもう一度握った えへへ温かいや…

家まで送るって言ってくれるファンくんを丁重にお断りすると せっかく来てくれた迎えの車を断って あたしに合わせて電車に乗ってくれたファンくん
先に降りるのが心配になっちゃうんですけど?
「平気平気!電車くらい乗ったこと有るってば!心配症だなチェギョンは!じゃ!またね」
ニコニコと手を振ってる 大丈夫かな?
「うん!気を付けてね 今日はホントにありがとう!」
「どういたしまして またね♪」ファンくんは表情を引き締め“またね”の声色を変えて低い声で言った くすくすっ可笑しい!

電車を降り手を振ってファンくんの乗った電車を見送って 駅を出て歩くあたしは さっきのシンくんの顔を思い出す…
シンくん…なんか淋しそうだったな… 日曜日なのに 今日も公務だって言ってた…
公務の帰りに デートスポットで車を降りて 友達のデートに遭遇なんて…
あ あたし達はホントのデートじゃないけど…
あたしの頭には嫌でも噂の彼女が思い浮かぶ… ミン・ヒョリンさんと 初雪デートしたかったのかな…
あたしはふいに立ち止まり シンくんの拾ってくれたテディのアルフを手のひらに乗せた
「アルフ…あんたあの日 シンくんの手の中に 確かに居たよね… ね 彼はどんな人なのかな?」



今日も読んで下さって ありがとうございました。
シンくんのこと気になるとかいいながら…
女同士の友達みたいなファンくんと あんまり仲良くしすぎなんじゃないの?チェギョン?

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朝8時18分→37.眠れぬ夜のありえない朝 ~シンくん…温かいや