9.遠い日の聖祖とジノ~わしとそなたの秘密じゃ | かおり流 もうひとつの「宮」

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「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
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王冠1 かならず はじめまして  を お読みください 指輪
前のお話→8.遠い遠い記憶~いったいどこで間違ってしまったんだろう  
このお話は 4.遠い記憶~お前なんかが皇太子妃になんてなれるわけないだろ  に続く プロローグのお話となっています(え?!9話でプロローグ!?長い道のりの始まりですから…)


皇太子イ・スが タイ訪問を前に空港へ向かう公用車へ 暴走トラックが突っ込むという
悲しい事故により薨御し 事態は急変した

ほどなくして 
イギリスのウィリアムとヘンリー王子が 母ダイアナ妃を亡くしたため
心を痛めた子ども同士仲良くできるかもしれないという…
表向きは 慰問という名目だったが
そのまま皇帝より 滞在を命ぜられた

そしてイ・ヒョンは皇太子 シンは皇太孫の冊封を受ける

シン・チェヨン一家はソウルを離れ郊外の小さな家に移り住んだ

始めは淋しがっていたチェギョンも
シンとユル ヘミョンと過ごした日々を しだいに 忘れていった


先帝聖祖はある朝 挨拶を済ませ東宮殿に下がる五歳のシンの 小さなその背中を追った

「これはユルが滞在しているイギリスの女王エリザベスから直々に
シン お前にと 頂いたのだ
ユルの変わりに お前を守ってくれるぞ 名を アルフレッド というそうじゃ  大事にしなさい」

「はい おじい様 ありがとうございます… それで あの…
おじい様… ユルは… ユル兄さんは しばらく戻らないのですか?」

「ああそうなるであろう… おまえには済まない事をした
しかし こうするしかなかったのじゃ…」

「では… チェ ギョン は? チェギョンも もう戻らないのですか?」
シンは眉間に皺を寄せ 絞り出すようにそう言った

「なんと… そうか… そうであったな… チェギョンはお前の大切な姉で会ったな」

祖父の言葉に動揺した様子で急いで首を振るシン

「あ… あんなの! 姉じゃないよ!
お転婆で!いたずら好きで! ひと月先に生まれたって 妹みたいなもんさ!
でも… でも…
あいつがいなきゃつまんないんだ…
あいつが笑うと このへんがほわっとするんだ…」

小さな拳を胸にあてるシン

「そうか… そうか… チェギョンを好いておるんじゃな…」

祖父の言葉に目を丸くし 頬を赤くして 戸惑い 俯くシン

「好きだなんて… そんな…」

「わかった わしがチェギョンに会えるようにしてやるとしよう」

皇帝は 皇太子付きのコン内官を 郊外に移り住んだシン家に 遣いに出した

「イ・スンレ様 皇帝陛下はスンレ様がお父上の元へ戻られることを望んで
私を遣いに出しました。
チェヨン様 チェギョン様 チェジュン様もご一緒に イ・ジンホ様の元へお戻りください
皇帝陛下は チェギョン様を皇太孫殿下のお側に とお考えですが
その手筈として 王族会のいらぬ反発を生まぬよう
チェギョン様の父上チェヨン様の王族会入りが不可欠なのです…」

しかし
チェギョンは連れてきては貰えなかった
遣いのコン内官が持ち帰った手紙は

駆け落ち同然で王族の身分を捨て 庶民として生活していた者が
シン殿下の乳母を務めさせて頂いたことは この上ない幸福で
二度と頂けない機会だと感じている
この上 チェギョンをシン殿下の元に… というお話は恐縮の限りで
身に余るお話で どうか どうか 私たちのことは 忘れてくれ
そういう内容だった

そこで皇帝は慌てて 王族会に在籍していたスンレの父 イ・ジンホに参内を命じた

「面を挙げてくれジノや わしとそなたの仲ではないか…
スンレから チェギョンを奪おうというわけではないのだ
急にひとりになってしまったシンが 不憫で 仲の良いチェギョンを
時折でも良いから側におけたら と 考えたのじゃが…
スンレはどうも王族に戻る気はないようじゃな…」

「本当に 気の強い娘で… これ以上皇室に近い位置にいると
外命婦(王族のご婦人達)のいざこざに巻き込まれてしまうと 懸念しているようで…
申し訳ない限り… しかも
もしや皇帝陛下に チェギョンを奪われてしまうかも…
などと言い始めて…」

「はっはっは… そうやもしれん」
「!?え!?」

「いやのぅ… シンはどうもその…チェギョンを好いておるようじゃ…」

「シン殿下が?!なにかの間違いでしょう…
シン殿下はむしろ お転婆のチェギョンを疎んでいる様子じゃったが…」

「そこは子どものする事じゃ… あやつは想いを素直に表せない子じゃ」

「ふむ… そういわれてみると そのような心当たりも…」

「外命婦のいざこざか… 王族たちはこぞって ゆくゆくはわが娘を皇太子妃にと
既に画策を始めているようじゃからのぅ… まだわずか五歳の子ども相手に…

わしはシンから兄のようなユルを遠ざけてしまった やむを得ん理由があったのじゃ
しかしチェギョンまでシンの元を去ることになるとは…
そこでじゃ…

わしとお前で 二人を許嫁にしておこうかと考えたのじゃ
シンとチェギョンを 王立高校で再会させ 婚姻を結ぶかどうかは
二人にゆだねようと 思うのじゃが… どうであろう?

スンレの顔を建てて 中学を出るまではスンレの好きに育てさせよう
シンのためにチェギョンを母親から引き離すわけにはいかんと
シンには話しておこう 高校生になるまで 待つようにと

シンとチェギョンを許嫁としたことは シンの十七の誕生日まで
わしとそなたの秘密じゃ」



そういういきさつで
先帝は シンとチェギョンを許嫁とする文書を作成し
イ・ジンホは
割ったメダルの半分と指輪と共に
皇帝から チェギョンにと
イギリス王室からシンへの贈り物として頂いたテディベアアルフレッドのミニチュアを
賜ったのだった

今は亡き皇帝とその従弟イ・ジンホの交わした約束は
約束の日を待つよう 遺書に記され 皇后から皇太后となった朴氏へ 託されたのだった



※今日もお読み頂き ありがとうございます。 
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次のお話は明日→ 10.義誠君イ・ユルの帰国~なんだか面白いことが起こりそうだ