菊富のカツカレー | ジャン=ピエールの霧の中の原風景

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こだわりの食とお酒を味わった思い出や情報を綴ります。

下手味というのだろうか、昭和の昔に愛されたスタイルというものがある。
たとえば、昔のかつ丼は肉がかなり薄く衣でうまくバランスを取って食べさせた。
決して今のかつ丼のように肉が分厚くはない。
そして、天麩羅そばには、揚げ出しと莫といって揚げたてのカリッとした天麩羅を使うものと朝のうちに揚げておいたものを使い衣が天つゆでフワフワになったものとがあった。
揚げ出しもいいのだが、手馴れた熟練の職人は莫を美味しく食べさせたと言う。


話は長くなったが、所沢菊富では下手味のカツカレーが味わえる。


決して紙のように薄いとんかつではないのだが、薄めのそのとんかつは下手味を感じさせる。


カレーのルゥーもシャバシャバ系で昭和のライスカレーを彷彿させる。


つけ合わせの何気ない野菜も美味しい。


神田栄屋ミルクホールや有楽町レバンテ等老舗はもとより、京橋明治製菓本社一階にあった100%チョコレートカフェなどそのチョコレートのシリーズごとまるごとなくなってしまった。
昭和の名残を感じさせるこういう料理を出してくれる店は貴重なのだ。