妄想アニメ メタル美少女戦士BABYMETAL
第1話 BABYMETAL誕生(後編)
(スタジオの扉があいてKOBAと、骨衣装を着た使徒A、Bが入ってくる)
KOBA:SU-、YUI、MOAこっちこい。
三人:はーい。
KOBA:この人たちが新曲のバックダンサーだ。(使徒B頭を下げ、使徒Aの頭を無理やり下げさせる)
三人:よろしくお願いしまーす。
MOA:って何で骨?
KOBA:で、お前らは今日から、メタルの練習をする。
三人:えっ?メタルですか。
YUI:(MOAに)メタルって何?
MOA:(首を横に振る)
SU-:でも、禁止されてるんじゃ?
KOBA:お、お前にしてはよくわかったな。だがな、安心しろ。あくまでアイドルソング。メタルっぽいアイドルソング。アイドルとメタルの融合、そんなところだ。
(使徒たち、狂喜して頭を振る)
KOBA:そうそう、こんなふうに頭を振るのをヘドバンという。
SU-:ヘ、
YU:ド、
MOA:バン?
KOBA:それにな、こういうサインをする。(メロイックサインをしてみせる)
SU-:わー、キツネさんだ。
YUI:キツネさんだねー
MOA:キツネさん、楽しいー。
(使徒たち、さらに喜んで首を振る)
KOBA:なんだそりゃ?ま、いいか。
MIKI:KOBAさん、警察の方が。
警察:(似非中国人っぽい口調で、警察手帳を見せながら)反社会的文化を取り締まる警視庁反文課の者なのね。ロンゲと禿のメタラーがこの辺りをウロウロしていると通報が入ったのね。ここに来てないかね?
KOBA、MIKI: いいえ。
警察:(骨衣装の二人に気づき)なんなのね、こいつらは。
KOBA:新曲のダンサーです。
警察:なんで骨なのね?
YUI:MOAと同じこと言ってる。
MOA:しーっ。
KOBA:ちょっと、ホラー色を出してみようかと。いろいろやんないと売れないんで。
警察:やってみて。
KOBA:え。
警察:その新曲とやらのダンス、見てやるね。
KOBA:まだその…未完成なんで…(MIKIを見る)
MIKI:いいわ。サビのところだけやります。三人、フォーメーションとって。
三人:ハイっ!
(Bメロから、伴奏入り、「リンリンリンッ!おはようwake upお・ね・が・いチョ待って!チョ待って!…ド・キ・ド・キ☆モーニング!」)
警察:(拍手して)よいね、よいね。なかなかカワイイね。
KOBA:ありがとうございます。
警察:で、これ、なんちゅうユニットかね。
SU-:じゅうおん…
KOBA:シッ。あのまだ、決まってなくて…
警察:そうなのね。ま、いいや、名前決まったら教えてね。こんだけカワイイ曲聴かされたら、メタラーは耐えきれなくなるね。その骨もただのダンサーね。ここにはメタラーはいないね。OKね。じゃあね。(去る)
KOBA:ふーっ。
MIKI:ってあんた、なんか知っているのね。
KOBA:ドア鍵かけろ。
使徒たち:ふうー。(顔を出す)
MIKI:(ロンゲと禿に驚き)まっ!
使徒A:どういうつもりだ。
MIKI:それはこっちのセリフ…
KOBA:しいーっ。(三人に)お前らもよく聞け。俺は、メタルという音楽が大好きだ。アイドルが支配する今の世の中、メタルが禁じられているのはわかってる。だが、小学校6年生のとき、ちょうど世紀末だった。俺はメタルと出会っちまった。メタルは反社会的音楽なんかじゃない。一見怖いが、人間の心の叫びを表現した音楽だ。音楽を差別するのは間違ってる。だから俺は決めたんだ。アイドルだけどメタル。メタルだけどアイドル。カワイイだけじゃなくて、人の心を動かす音楽を俺はやりたい。SU-、YUI、MOA。
三人:ハイっ。
KOBA:お前たちならやれる。今のサビにつながるリフをメタルにしたバージョンをデモに打ち込んであるんだ。やってくれるか。
SU:人の心を動かす音楽…。
YUI:やります。
MOA:誰かが笑顔になるのなら。
(フライングVの丘目指して進軍するアイドルたち。先頭にはトップチームの三人)
サーシャ:全体、止まれ。
コーズィ:(おバカ風に)あとは、あの丘の宮殿を占領すればいいのね。
ミミ:(サバサバして)メタラーなんて、たいしたことないわね、楽勝、楽勝。
サーシャ:(男前に)油断は禁物だ。
コーズィ:イケメンメタラーがいたら、助けて養ってあげちゃおっかなー。
ミミ:あ、それいいかも。でもあたし、お腹すいちゃった。
サーシャ:お前は自由だな。またボウズになるか?
ミミ:やだあ。あんたがそんなこと言えるの?
コーズィ:あれ、なんか丘の上にいるよ。
サーシャ:何っ!(双眼鏡で見る)
(フライングVの丘の上。打ちひしがれたメタラーたちの前に、キツネ様が現れる。
メタラーA:キツネ様あっ!
メタラーB:おれたちはもう、終わりなんですかー!
キツネ様:終わりじゃないよー。
メタラーC:キツネ様あっ!
キツネ様:みんなー、はっじまっるよー。
(スタジオ。パンテラ風のリフがついた「ドキドキ☆モーニング」のエンディング。)
KOBA:どうだ。いいだろ。
SU-:なんか、太鼓がドコドコ鳴ってて、楽しかったです。
(そのとたん、バーンと音がしてドアが壊され、警察が踏み込んでくる。)
警察:やぱりね。怪しいと思てたね。こいつら、メタラーね。そしてあんた、アイドルプロデューサーないね。メタルプロデューサーね。タイホね。
(警察官たち、KOBAと使徒たちに飛びかかり、押さえつける。MIKIは三人をかばっている)
KOBA:もうダメだ。
使徒A:弱気になるな。
使徒B:祈れ。キツネ様に祈るんじゃー!
使徒、KOBA:キッツネ様あー。
(祈る使徒たちとKOBA。すると、あのBMDのイントロコーラスが流れ、スタジオが赤い光で満ちる。驚愕の表情を浮かべて固まる警察官たち。そして、SU-、YUI、MOAの三人は、 KOBAのiPodの中に吸い込まれていく。)
(フライングVの丘の上。「ドキドキ☆モーニング」のイントロが流れる。実写のSU-、YUI、MOAが地面の中から「あー」と言いながら現れる。)
サーシャ:な、何だあれは。
コーズィ:キャー!
ミミ:カワイイ…
(歌い踊る三人。)
♪ぱっつんぱっつん前髪ぱっつん(Cuty Style!)やっぱ一直線なら一等賞よ(チョーすごーい)今日のリップ、あっち?こっち?そっち?どっち?Which?ちょっち?ウォッチ?
(フライングVの丘のメタラーたち、一斉に「今何時!」と合いの手。丘の前のアイドルたち、目がハートになる。)
サーシャ:なんだなんだ。隊列を乱すな。
ミミ&コーズィ:今何時?
♪集合集合、放課後集合(Party Time!)だって女子会参加でガールズトークよ(チョーヤバーい!)今日のVIP、あっち?こっち?そっち?どっち?Which?ちょっち?ウォッチ?
(アイドルたち、「今何時!」と合いの手。)
サーシャ:お前たち、何をやっている!心を奪われるな!
ミミ&コーズィ:今何時?
♪知らないフリはキライ!キライ!知らないセカイ見たい!見たい!4次元5次元期待!期待!10%背伸びしたい!したい!っよね!?
リンリンリンッ!おはようWake up お・ね・が・いチョ待って!チョ待って!
サーシャ:なんだ、アイドルソングなのか?
コーズィ:リンリンリンッ!
ミミ:カワイイ!
サーシャ:とりあえず、全員、艦隊に戻れ。
♪Ring Ring Ring!あせらずHurry up バ・タ・バ・タ☆モーニング!
リンリンリンッ!あわてずMake up お・ね・が・いチョ待って!チョ待って!
Ring Ring Ring!Today はVersion up!ド・キ・ド・キ☆モーニング!
(宇宙艇、アイドルたちを乗せて飛び上がるが、操縦士がリンリンリンッ!とフリ真似をするため、操縦かんから手が離れ、コントロールが効かなくなり、艇どうしがぶつかってちゅどーん!と爆発。曲はメタルのリフに。)
サーシャ:くそっ、なにやってんだ。やっぱメタルじゃないか。本部、本部。緊急事態発生。
ミミ-:リンリンリンッ!
サーシャ:お前は操縦かんから手を離すな。ボウズにするぞ。
コーズィ:バタバタモーニング!
サーシャ:ダメだこりゃ。全艦に告ぐ。ここは撤収!撤収!
(ちゅどーん、ちゅどーんと次々に爆発する宇宙艇。生き残った艇は離脱して逃げていく)
(フライングVの丘の上。尖塔からはきらきらと光る粒子が放出されている。歌い終わった三人がキツネ様の前にいる。)
キツネ様:ありがとう。アイドルはみんな帰ったみたい。よくやってくれたね。
SU-:ここは一体…。
キツネ様:メタル銀河の果て、へヴィメタルのマジカルワールドだよ。
YUI:わたしたち、もう帰れないんですか。
キツネ様:大丈夫。ポータルを通って帰れるよ。君たちは、ぼくらメタルの世界を救ってくれたんだ。それがどれほどすごいことか、わかる?
MOA:みんな笑顔になったね。
キツネ様:君たちにふさわしい名前をあげなきゃね。アイドルとメタルの融合、新しいメタルの誕生、赤ちゃんを意味するBABYMETALだ。
YUI:なんデヨー。ゆいは赤ちゃんじゃなーい。
MOA:YUIのことじゃないよ。
SU-:BABYMETAL?
(メタラーたち、早くもベイビーメトー、チャッチャッチャチャチャの手拍子)
キツネ様:ベイビーじゃないよ。へヴィとベビーをかけて、ベビーメタルだよ。さあ、言ってごらん。We are?
メタラーたち:BABYMETAL!
SU-:We are?
メタラーたち:BABYMETAL!
SU-:We are?
メタラーたち:BABYMETAL!
SU-:We---are--?
メタラーたち:BABYMETAL!!!(拍手喝さい、大歓声)
(ここはA-KIBA。薄暗い部屋に、太った男が後ろ向きに座り、携帯で話している)
スネーク:全滅?
(ドアを開けて男が入ってくる。)
男:スネーク様、今月の売り上げでございます。
スネーク:(一瞥して、あっちへ行けとばかりに手を振る。男、部屋を出ていく。)BABYMETALか。ふっふっふっ…。面白くなってきたじゃないか。
(ED「Road of Resistance」)