東京ドーム2日目レポート(1) | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

終わっちゃいました、東京ドーム公演。

結果的には、次の展開-MSGとか、Metal Resistance EpisodeⅤ、南米(El Do Ra Do)、オーストラリア、シンガポールツアーが発表されることなく、10月5日のZeppライブビューが告知されただけでしたが、2日目のライブ自体は、もう初日とは段違いの満足感だった。

仕事を終えて雨降る東京ドームに着いたのは午後6時。後楽園のトイレでワイシャツを脱ぎ、黒いスーツの下に、昨日買った東京ドームT。リストバンド、ラバーリングを装着して臨戦態勢。41番ゲートから天空席へ。昨日とは異なる透明なモッシュッシュコルセットを着用。ここから会場のすべてが見渡せる。三塁側だが、ほぼ正面に近い。なるほど、昨日のThe OneシートBブロックというのは、正面から見ると、下手の背後になっている。観にくかったわけだ。昨日のライブ感想をいろいろ見たが、座席によって全く印象は違っていた。The OneのBブロック、Aブロック、モッシュッシュの外野席にいた方からは、「金返せ」「醒めた」といった厳しいコメントが多かった。しょうがない。見えないんだもん、ホントに。

今日の席は天空席だが、バックネットに視界をふさがれることもなく、最高の席といってよい。こりゃやっぱり、ステージ設計の段階から、文句が出ることを予見しなかったか、予見していても「たいしたことはない」とナメた運営側のミスだったとしかいえない。

昨日も出た開演10分前くらいから旗をもった白塗り骸骨コスチュームの小柄な人々が、ブロックA、ブロックB、ブロックCと回ってきて、手拍子で煽る。

また、その間にブロックBの花道あたりに、黒い箱をかついだ人々が現れる。あるサイトで、あの箱の中にメンバーが入っているのだと書いてあった。客入れ前に中央の円形舞台下に3人がスタンバっているのだと思うが、トイレに行くこともあるので、こういう移動手段をとっていることは十分に考えられる。いつの間にか、ドームは満員。空席がまったく見えない。SOLD OUTだったはずなのに、実は、当日見切り席券が9,500円で販売されていた。それも含めて完売したということなのだろう。あらためてBABYMEALは正味11万人を集めたのだ。凄い。

7時10分過ぎ、昨日と同じ「キツネだおー」から始まるKOBAMETALの映像。

続いて、1stアルバムイントロの女声コーラスに乗せた紙芝居。シンバル4つ打ちからBABYMETAL DEATHが始まる。最初、昨日と同じように円形舞台屋上に白装束を来た三人が現れたので、てっきりそれがBABYMETALだと思ったのだが、実は、3つの棺桶状花道のそれぞれに、SU-、YUI、MOAの三人が十字架にかけられた状態で登場。白装束はダミーだった。三人は十字架から降りて、花道を歩き、舞台中央に集結していく。もうこの時点で、ぼくはウルウル来ていた。やっぱりデス始まりは、秘蹟によって降臨した三人の少女、BABYMETALのライブ、という感じがする。しかも今日は、チュチュが赤!つまり待望久しい2014-15バージョンなのである。紙芝居にあったように「過去を乗り越えていくのだ」というのが、今日のテーマらしい。会場は、「DEATH! DEATH!」の大合唱で、一気にヒートアップした。

2曲目はEDMっぽいイントロの「あわだまフィーバー」。2015年まではこの曲は“新曲”ということで、オールスタンディングの観客が頭上に両手で輪っかを作って踊る定番だったのだが、今日の観客は新規が多いためか、輪っかを作る振付が普及していないみたいだった。それよりもSU-の「歌って!」「もっとー」に答えて「アー、イエイ!」のところでジャンプする振りの方が合いの手として定着したようだ。

3曲目は「ウキウキ★ミッドナイト」。合いの手最難関の曲。天空席から見るレーザー光線の演出はすごい。さすがアミューズクオリティ。正面やや左だからかもしれないが、舞台上の衣装、照明の色彩と、レーザーの色がマッチしていて、三人の歌、ダンスと相乗効果で、観客につきささる。デロリアン前での2週間の特訓の成果で、ほぼ正確に合いの手を入れられた。めでたい。

4曲目は、「ドンドンスコトドン!」というドラムの音。すかさず観客は「メタッ!」と返す。「META!メタ太郎」である。フェスではほとんど演奏されていないので、2ndで聞いてはいるが、振り付けや合いの手はなじみがない方が多いのだろう。驚いたのは、今日この曲の煽りが間奏の「woo woo woo woo woo woo woo woo woo…」の男声コーラスに決まったことだ。1番の「君に聞こえているか、心の声。君に届いているか、仲間の声…」のバックのコーラスだが、2番終わりにこれが何度も繰り返され、SU-が「もっと歌って」YUI、MOAも「もっと声出してー」と煽るので、こぶしを突き上げながら、「Wow wow wow wow…」と歌うのが、今後の定番になっていくのであろう。

この後、紙芝居。「すべてを焼き尽くす獣を神が封印し…」「A-KIBAの魔力によって封印が解き放たれ…」とか言っている。日本武道館の「黒い夜」で、A-KIBAがキツネサインをしてくれたことをもってEpisodeⅠが完結した。現実に2013年2月のMステに初出演したBABYMETALは「イジメ、ダメ、ゼッタイ」の披露に際して、キツネサインとXジャンプを共演したAKB48に教え、AKBメンバーはニコニコしながらやってくれた。

ところが2016年9月、またまたA-KIBAが敵だという。要するに乃木坂にお姉ちゃんがいようが、織田奈那が番組中キツネサインをしようが、AKBグループは、2012年同様、まだ仮想敵だということである。なんかあったのかな。久しぶりに聞いたわA-KIBA。

で、曲は「Sis.Anger」。「戦え!戦え!お前らの怒りを叫べよ~」(観客に耳を向け、2小節)のところで、観客が自然発生的に「ばかやろー」と言っていた。めでたい。

劇的なシンフォニーが流れ、ここで神バンドのインスト。久々の「Mischief of Metal Gods」である。今日のギタリストは下手が大村神、上手がLeda神。従来はこの曲から「悪夢の輪舞曲」に行っていたが、これは昨日やってしまっている。NRNRか、紅月-アカツキ-か。

ピアノの前奏が流れる。「紅月-アカツキ-」だ。5万5千人(今日も満員、空席なし)がしわぶきひとつしない中、舞台中央に立ったマントを羽織ったSU-の澄み切った歌声が流れる。もう、神ってる感じ。これまでで最高の歌だったと思う。バンドが入って「アカツキだー!」といった瞬間、鳥肌が立って、「うわあっ」と思わず叫んでしまった。

後半へ続く。