東京ドーム初日レポート(2) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

BBMで会場が盛り上がったところで、1stの神曲「悪夢の輪舞曲」。ピアノソロから、変拍子(6拍子-7拍子?)のイントロ。何度聞いても最初のSU-の歌いだしのタイミングがとれない。やっぱり才能がないのかなあ。円形舞台は、周縁部がターンテーブルのように回転する。SU-はこの曲を歌いながら、360度回るのだが、Bブロックに来るのはほんの数十秒。このへんで、主要曲を正面でみられるCブロックおよびバックネット2階席、3階席への嫉妬に似たフラストレーションがたまってくる。だってはじめと終わりはいつもCブロック正面なんだもん。もちろん巨大円形スクリーンには映っているけど、それじゃBDを観ているのと同じ。生身では、BおよびAブロック、外野席は、基本三人の背中しか見えない。双眼鏡とかいう問題じゃないんだ。

そんなウジウジした気持ちでも、「シッシッシシシッ、シシシシッ」と来たら、「よんよん!」と反射的に叫んでしまう。特訓の成果だ。MOA、YUIは、レコード盤のように回って、Bブロックにも来てくれる。それだけじゃなくて、BとCの間の花道、BとAの間の花道、CとAの間の花道にも来て、それぞれブロックの名前を「Team The Four」とか「Team うれC」とか「Team幸せの4」とか「TeamおいC」とかつけて、それぞれを回ってくれた。Bブロックは、「おいC」らしかったが、境目がよくわからなかった。でもとにかく「よんよん!」と叫び続けた。

暗転後、ギターのアームダウン、グワーン…から青山神のドラムス。と来ればCMIYCの神バンドソロ。ようやくここで来た。

藤岡神。夏のロッキンからのアウトなソロはますます磨きがかかった。今日はいつものメタリックグレイではなく、ピンクのESP7弦。いつもよりやや音色が明るい感じ。大村神もアウトなソロだが、やはり性格か、起承転結がはっきりした端正なソロ。メロディは全然ちがうんだけどね。BOH神も今回は相当アウトなソロ。三人そろうと、だいぶ違った印象になる。マンネリにしないで、ドームらしく冒険しようという意思が感じられる。このへんぼくは神バンド、好きだなあ。

「ハイハイ…」と三人が入ってきたとき、観客の反響音のせいか、リズムの裏表が逆だった。ギターがリフをやり直して、本来のリズムに戻り、いよいよウェーブか、と期待が高まったが、SU-が何か言い、YUIとMOAも何か言うが聞き取れない。

SU-が「鬼さんこちら」「手のなる方へ」を繰り返したので、観客もC&RはSU-のリフレインでいいのだなと悟り、手拍子しながら「鬼さんこちら」「鬼さんこちら」「手のなる方へ」「手のなる方へ」とレスポンスしていった。

「赤鬼さん」「ヴォイ!」「青鬼さん」「ヴォイ!」…「赤い靴」「ハイ!s」「履いちゃダメ!」「ノン!」は完璧にできた。

盛り上がったところで、「Give me…」の繰り返し。これはBブロックとAブロックの中間地点で始まったが、すぐに回り始め、結局終わりはCブロック(バックネット2、3F向け)正面。しかも煽りなし。続いて「KARATE」。「Woo!woo!woo!」「Every Body jump!」は、正面でみたかったが、がこれもCブロック正面だよー。

ここまでくると、360度のうち、バックネット方向の70度くらいがプライムで、残り290度はときおり回転して回ってくる程度だということがはっきりとわかる。同じチケットの価格でも、Cブロック、バックネット2、3Fが「正面」で、B、Aブロックおよび外野席は「外れ」だったのである。これはステージ設計のミス、ないしは客席確保最優先の意図的な飢餓戦略だろう。巨大スクリーンに映る画像を見るだけなら、家で大画面のBD、ステレオサラウンド音源を観ていた方がよい。

ここで紙芝居。なんかSF風である。そして、「Tales of Destinies」が始まる。もちろん世界初披露。ギターの二人は、ものすごい変拍子、倍速の三連符速弾きを忠実にこなしている。

「われらの、The Destinies!」とSU-が歌い上げると、YUI、MOAの「ララララー」というSEが聞こえ始め、観客が首につけたコルセットが点灯した。5万5千人の観客の首が一斉に光り、まるでプラネタリウムのよう。4月にKOBAが雑誌のインタビューで「やりたいことがあるんです」と言っていたのは、このことだったのである。

室内というのは人間の空間感覚を麻痺させるところがあって、5万人いるのに、なぜか高校の体育館くらいの感覚しかなく、近しい感じがする。観客がSEに合わせて「ララララー」と歌っていると三人が金色の衣装で三つの花道から登場。

この曲では、中央構造物の周縁部がLPレコード盤のように回り始め、三人は回転する円盤上にあっても動じることなく歌い続けた。そして「The One」の終了とともに、特効の炎が巨大円形スクリーン近くまで達し、観客は「ウオー」てな感じで驚愕していた。ただ、今日は「See You!」なし。なんかもの足りないというか、2日目に続くのだな、今日だけでは完結しないのだなという諦め&期待感が大方の反応だと思います。