ベビメタ用語の基礎知識(2)サ行~タ行 | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

カ行補遺

●Kerrang!…イギリスのロック音楽雑誌。BABYMETALは同誌主催のKerrang!アワードで、2015年Spirit of Independence賞、2016年Best Live Band賞に輝いた。

●小林啓…KOBAMETAL。アミューズ所属の音楽プロデューサー。さくら学院重音部顧問としては、小林“コバP”ケイと称していた。1986年、小学校6年生の時、メジャーデビューしてテレビに登場した聖飢魔Ⅱの「蝋人形の館」を見てメタルファンになった。小5と中1の三人に重音部を結成させたのは、この体験からだった。入社初期にはSIAM SHADEやインディーズのハードコア、ラウド系バンドを扱っていたが、2009年から中元すず香の歌唱力に目をつけ、“メタル少年少女歌劇団”を構想。2010年、さくら学院内に重音部を作らせ、“SU-のまわりを踊る天使”としてYUI、MOAを抜擢。メタル史へのオマージュに満ちた楽曲はもちろん、キツネ様、紙芝居、ヘドバン行脚、Legendシリーズ、神バンド、ロックフェス席巻、史上最年少武道館、海外ツアーのすべてはこの男の仕掛けによる。モーニング娘。のつんく、AKB48の秋元康、MCZの川上アキラと並んで、日本アイドル史上に残る名プロデューサーとなった。

サ行

●さくら学院…2010年にアミューズが所属のアミューズキッズから選抜したメンバーで立ち上げた成長期限定アイドルユニット。 “学校”をテーマとした“教室エンターテインメント”を標榜し、構成作家を“校長先生”、MCのコメディアンを“担任”、スタッフを“先生方”、ファンを“父兄”と呼ぶ。BABYMETALはその部活である「重音部」として結成された。アイドルを超えたスーパーレディの育成を“校則”に掲げ、公開授業でさまざまなことを教える様子をファンに見せ、メンバーの成長を楽しむ。中学校卒業とともにさくら学院も卒業しなければならず、メンバーの一部が毎年交代する。歴代の生徒会長は初代武藤彩未、二代目は中元すず香、三代目は堀内まり菜、四代目は菊地最愛、五代目は磯野莉音、六代目は倉島颯良である。

●サークルモッシュ…モッシュの一形態。観客席で、客がぐるぐると円を描いて駆け回ること。協調性のない欧米人は逆回りする奴が出て結局“押しくらまんじゅう”になってしまうことが多いのに比べ、日本人は即座にお互いの意図を読むので、2015年のMETROCK東京では、半径数十メートル級の巨大サークルが2つもできた。2016年欧米ツアーの「CMIYC」では、SU-が「I wanna see a big circle! Bigger bigger!」と煽るが、ピットが狭くて観客が四苦八苦していた。

●サマーソニック…略称サマソニ。フジロックと並び“夏フェス”の代名詞。千葉・幕張と大阪舞洲の2会場を、2つのヘッドライナーグループが2日間“たすき掛け”で公演するのが特徴。2012年にBABYMETALが史上最年少で幕張に参加したときは、フードコートのSIDE SHOW MESSEというステージだった。そこでの全力パフォーマンスをたまたま見ていたイギリス人カメラマンが、親友のラーズ・ウルリッヒに報告。翌年、神バンドとともに大阪・舞洲のステージに出演したBABYMETALを見たMETALLICAのメンバーが驚愕してツイート、翌年2014年の欧州ツアー、ソニスフィア、レディガガの前座へとつながっていく。

●The One…1.2nd アルバムの最終曲。US盤、EU盤では全編英語で歌われる。ウェンブリーアリーナでは、日本のライブビューと同時中継され、万国旗が振られ、まさにBABYMETALが世界をひとつにする光景が現出した。2.ネットでログインするBABYMETALの世界共通の公式ファンベース。ID付きのフードタオル(2016年)を購入する必要があり、登録すると“洗礼の証”として、メタルネーム(××‐METAL)が与えられる。

●潮路(しおじ)…2009年、SU-が出演したミュージカル「冒険者たち」での役名。ねずみの家族の物語だが、2010年、さくら学院参加後に行われた再演でも潮路を熱演している。生き別れた家族が再開したときに歌われる劇中歌「早瀬川」は、今聴いても抜群のピッチと可憐さ、表現力である。

●Sis. Anger…2nd アルバムに収録されたYUI、MOAデュオによるBLACK BABYMETALの曲。タイトルはMETALLICAの名曲「St. Anger」をもじっている。「ざっけんじゃねーぞ、おい、おら」という歌詞は、YUI、MOAにとって「普段使わない言葉」だが、いいわけばっかりしている人、自分のことしか考えない人、本気でやらない人に対する怒りに満ちている。

●GJ!…2nd アルバムに収録されたYUI、MOAデュオによるBLACK BABYMETALの曲。三三七拍子で始まり、「うちらにゃキツイぜ大人の階段」とか「イライラしたっていいことナイ、ナイ」とか、高校生から社会人女子まで、過酷な毎日をメタルのパワーで何とか乗り切ろうという応援歌になっている。リフはメタルだが、ちっともBLACKじゃない。

●シンガポール…BABYMETALの海外初公演は2012年11月のAFAシンガポールだった。アニメ・アイドルファン3,000人がサイリウムをふって迎えたステージで、カラオケ、骨バンドのアイドル仕様ではあったが、終演後、YUIが呼吸困難になるほどの全力パフォーマンスを行った。三人は翌日、チキンライスを食べ、マーライオンの前で記念写真をとり、ナイトサファリにも行って、シンガポール観光を楽しんだ。SU-の卒業で解散の可能性があった重音部にとっては、“修学旅行”のような位置づけだったのかもしれない。しかしBABYMETALは継続し、翌年2013年11月にはAFAシンガポール2013に再出演し、12月にはアイドル仕様のまま、初の単独海外ライブLive in Singaporeを行った。

●シンコペーション…2nd アルバムの収録曲。タイトルどおり裏、裏と続くリズム=シンコペーションを基調としたヴィジュアル系ロックのようなメロディラインで、これまでBABYMETALの楽曲では避けられてきたブルーノートを使った2分14秒のE7# 9、いわゆるジミヘンコードが衝撃的。

●スーパー最愛ちゃん…2015年3月、さくら学院卒業前のインタビューで、「これからの目標は?」と聞かれた菊地最愛は、「スーパー最愛ちゃんを目指します。」と答え、「スーパー最愛ちゃんとは何ですか?」という問いには、「月島きらりみたいになりたいんですよ。」と答えている。「ちゃお」連載のマンガ「きらりんれぼりゅーしょん」の主人公で、様々な試練を乗り越え、トップアイドルを目指す物語だ。そして、「BABYMETALの活動を続け、世界中にさくら学院を広め、いつか菊地最愛として戻ってきたいです」とキッパリ述べた。2016年のワールドツアーで、欧米人ファンがさくら学院の旗をふっている情景が見られた。ウィキペディア英語版の2016年3月から6月までの日本の音楽グループの検索件数は、BABYMETAL(802,925件)、AKB48(151,982件)、One Ok Rock(107,348)、X Japan(87,920件)に次ぐ、Sakura Gakuin(72,481件)という結果となった。KPPやPerfume、モーニング娘。乃木坂46、MCZよりもはるかに上位である。BABYMETALのおかげで、さくら学院まで世界中に注目されている。スーパー最愛ちゃんの野望は、現実のものとなってきたのだ。

●ソニスフィアフェスティバル(Sonisphere Festival)…イギリス最大のメタルフェス。2014年7月5日、BABYMETALは初の欧州ツアーの締めくくりとして、そのオープニングメインステージに立った。当初、テントステージでの出演が予定されていたが、観客の反応が予想外に良かったため、運営会社の決断により、メインステージに昇格されたのだった。5万人とも6万人ともいわれる耳の超えた本場のメタルファンを、BABYMETALと神バンドは、文字通りノックアウトした。伝説の映像は「イジメ、ダメ、ゼッタイ」のオフィシャルMVとなった。当時、SU-は16歳の高校2年生、YUIとMOAは15歳になったばかりの中学3年生だった。

タ行

●ダイブ…「ヘドバンギャー!!」の冒頭、「逆ダイ(からの)柵ダイ(からの)コロダイ(からーの)折り畳み」にある“ダイ”のことである。元々は、アーティストがステージから観客席に飛び込むことをダイブと言った。それが、興奮した観客がステージに飛び込むのを「逆」ダイブというようになり、それがステージ前の柵に飛び込んでしまうことを「柵」ダイブ、ダイブして観客の頭上をコロコロ転がされる、今でいうクラウドサーフを「コロダイ」と呼び、地面に落ちて他の観客に踏まれないように手足を引っ込める状態を「折り畳み」と称するらしい。

●ダウンロードフェスティバル…2003年に始まった英国レスター州ドニントンを会場として行われるロックフェス。2016年にはフランス・パリでも行われた。BABYMETALはUK、パリ両方に出演。UKでは豪雨、パリでは電源トラブルでスタートが遅れたが、Best Live Bandの名に恥じない全力パフォーマンスで大観衆を熱狂させた。

●地蔵…フェスで、お目当てのバンドを見るために開場早々客席最前列に陣取り、他のバンドのステージを見もしないで、ひたすら出番が終わるのを待ち続ける無反応な観客のこと。ライブはアーティストと観客が協力して創り上げるもの。本当につまらないステージなら野次を飛ばすのも観客の権利だが、無反応の地蔵はマナー違反だと思うよ。

●でー、でー、で?…Music×IDという番組にさくら学院が出演したとき、中等部2年生の水野由結が、「プチ自慢」として、「ほっぺたがすごいプニプニしてるんですよ。メンバーとかにもよく触られたりしててー、でー、でー…」と言葉に詰まり、隣にいた田口華に「で?」と聞いてしまった。スタジオは大爆笑。ゆいちゃんの可愛さ爆発。

●Tales of Destiny…2nd アルバム収録曲。ピンクフロイドやドリームシアターを彷彿とさせるシンフォニックメタル。複雑な構成、「終わらない、止まらない、果てしないジャーニー ぼくらは振り向かない Now and Forever」という感動的な歌詞と、終曲「The One」につながるピアノのバラードが印象的。

●デロリアン…さくら学院では毎年度末に、抜き打ちの常識テストが行われていた。2012年度SU-が生徒会長だった年、「CD、DVD、BD、これらの言葉の最後のDは何という言葉の略か答えなさい。」という問いに、SU-は「デロリアン」と答えた。「Dって何だろうなって考えていたら、急にパッとデロリアンが入ってきたんですよ」とSU-は言い訳したが、これ以降、さくら学院やBABYMETALのCDやDVDを、ファンベースではデロリアンというようになった。もちろん本当のデロリアンとは、バック・トゥ・ザ・フューチャーに出てくるタイムマシンカーのことである。

●ドセン…ライブで、客席最前列中央(どセンター)のこと。アーティストに最も近く、モッシュにも巻き込まれない特等席。基本オールスタンディングのBABYMETALのライブで最前列を確保しようと思ったら、単独ライブだろうがフェスだろうが、開場10時間以上前から並ばないと難しいでしょう。

●トイズファクトリー…1990年にVapの第2制作部が独立して設立された音楽・映像ソフト制作会社。バンドブームに乗り筋肉少女帯、Mr. Children、Speedなどで有力レーベルとなる。かつてあった洋楽部門はデスメタル系バンドを扱っていた。現在は、BUMP OF CHICKEN、湘南乃風、Sekai no Owariが所属。BMD FOX Recordsおよび重音部Recordsは、トイズファクトリー内のBABYMETAL専門レーベル。

●東京アイドルフェスティバル(TIF)…毎年夏、フジテレビ社屋周辺で開催されるアイドルフェスティバル。2010年の開始以来、さくら学院は年間活動の重要なイベントと位置づけている。フジテレビ事業部直営のアイドルグループ、アイドリングが中心となっていたせいか、初年度はMCZが参加したが、AKBグループは参加していない。2014年、最終学年で生徒会長の菊地最愛は、レディガガのサポートアクトのため、出演できなかったことを最後まで悔やんでいた。

●トマト君…水野由結は、トマトが大好物であると公言していた。さくら学院卒業間近のタワーレコードでのイベントで、稲嶺社長が水野に、トマト君の物まねをしてほしいとリクエスト。元のキャラクターも存在しない無茶ぶりだが、水野は低い声でトマト君を熱演。以降、BABYMETALやさくら学院のライブにトマトの被り物をしたファンが続出した。