年明け早々の1月6日、地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)で、「リオ+20に向けたNGOミーティング」の初会合が開かれました。「リオ+20」とは、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開かれた「環境と開発に関する国際連合会議United Nations Conference on Environment and Development、UNCED」、いわゆる地球サミットから20年目の来年2012年に、再びリオデジャネイロで開催される地球サミットに向けて各国で始まっている準備のための運動のことです。

1992年の地球サミットでは、「持続可能な開発」という考え方と、地球規模の課題の解決ためには各国が個別に取り組むのではもはや不可能であり、各国政府、国連、NGOなど様々なアクターがパートナーシップを組んで協力して取り組んでいかなければならないという認識が共有されました。昨年10月に名古屋で議論された「生物多様性条約」や、様々な異常気象を引き起こす地球温暖化問題を話し合う「気候変動枠組条約」も、すべてこの地球サミットが出発点でした。

当時、私は日本国際ボランティアセンター(JVC)のスタッフとして、東京事務所で総務/経理とソマリア担当を兼務して働いていました。私自身はリオの地球サミットには直接関わっていませんが、尊敬する元JVC代表の岩崎駿介氏が「92国連ブラジル会議市民連絡会」を設立して、市民に向けた啓発活動と提言のとりまとめである「市民の地球憲章 (岩波ブックレット)」を作成するなどの活動を行っていました。私も、ブラジル連絡会の事務所には何回か行って、熱気溢れる議論の場に参加したことがあります。

1月6日の会議には、環境パートナーシップ会議(EPC)の星野智子さん、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)の古沢広祐さんと足立治郎さん、オックスファム・ジャパンの山田太雲さんなど約20名が参加して、情報共有と目標や成果イメージについてのディスカッション、今後の取り組みについて話し合いました。
会議では、グリーンエコノミーに象徴される持続可能な経済成長に関する議論やマスコミの役割とソーシャルメディアの活用など、多くの論点が議論された。
私は、経済成長が貧困削減につながらない場合もあることを含めて、持続可能な開発と経済成長に関する議論を深化させることと、NGOや専門家の間での議論に終始せずいかにして市民を巻き込むことができるかが重要と発言しました。

今回はNGOによる会合でしたが、「社会的責任に関する円卓会議」の「地球規模の課題解決への参画ワーキンググループ」では、マルチセクター(企業、消費者団体、労働組合、NGO/NPO、政府など)による議論が始まっています。
また、有志からなる「地球サミット2012Japan」も、マルチセクターによる対話と行動を呼びかけています。

なお、JANICでは1月28日に「生物多様性COP10 NGO連携第2回フォローアップ会合 リオ+20へ~開発・人権・環境NGOはどう連携するべきか」を開催します。NGOのスタッフが対象の会合ですが、一般の方もオブザーバー参加が可能ですので、ご希望の場合は事務局にご連絡ください。

$国際協力NGOセンター(JANIC)事務局長ブログ
(この寒さにも拘らず、色とりどりのビオラが咲いています)