60歳の母さんが初めてネットショップで買い物をした話 3 | おもいでのヤンゴ

60歳の母さんが初めてネットショップで買い物をした話 3


前回、前々回と母さんがネットショップに挑戦する話を書いてきた。
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ネットに疎い母を半ば強引にネット通販するよう仕向けた僕。


しかし、母のネット音痴は筋金入りで買い物に難航。


やっとのことでキッチンブラシの注文を済ませた。


この時、始めてから2時間が経過していた。




60歳の母さんが初めてネットショップで買い物をした話 3



「やったね母さん(ヽ'ω`)ゲッソリ」


「母ちゃんにかかればこんなのチョチョイのチョイぽんv(^v^)v」


「…」



どこがチョチョイのチョイじゃ!!と言いそうになる自分をなだめる。


ワカランチンの母さんに理解してもらうため、脳みそを絞りに絞った2時間だった。


僕からすれば、“未開の地の先住民にネットを教えた功績でノーベル平和賞を貰える”ぐらいの気持ちだった。


でも、ネットで買い物しようと言い出したのは他でもない僕自身。
母さんは乗り気でない中、よく頑張ったのだ。


「そうだね。
あとはお金を払って、届くのを待つだけだね」




それから数日後、母はコンビニで代金を支払ったと報告してきた。



「じゃあ、そのうち通知メールが来ると思うよ」


「それならさっきアマゾンの人から来たよ」


「そっか」



何か引っかかる…


今、「アマゾンのから」って言ってたな。



「母さん、その通知メールに返信…」


「ちゃんと返信しておいたよ。
日中は家にいるのでいつ運んできても大丈夫です。
よろしくお願いしますって言っておいた。
完璧完璧v(^v^)v」


「ふ、ふーん」



メールはあくまで“通知メール”なので、もちろん返信する必要はない。


だいたい、こういったメールは自動で送られるようプログラムされているものなので、返信しても届くことはない。


とはいえ、良かれと思って返信したようなので、黙っている事にしよう。



それからさらに数日が経ち、とうとう注文の品が届いた。



夜に僕が帰宅すると、母さんはピカピカのブラシを右手に握りながら親父に何かを言っていた。


「これは母ちゃんがネットでたのんだんだよ。
いっぱいある中から探しだして支払い方法とか選んだんだよ。
父ちゃんも何か欲しい物があったら
今度から母ちゃんがネットでたのんであげるよv(^v^)v」



ブラシを天にかかげ、誇らしげに話す母さん。


でも実際、今の母さんの理解度で一人で挑戦しても無理だとは思う。
それを皮肉を込めて言ってやろうかとも思ったが、やめることにした。



こんなに喜んでいる人に水を差すのは、外道ってヤツだろうから。



母さんの年齢になると、新しく何かを始めるということが少なくなる。


そんな中での今回のネットショッピング体験は大きい。


母さんがネットという“新しい事”に興味を持ったのかもしれないのだから。



親には老け入ることなくいつまでも元気でいて欲しいもの。


その点、こういった慣れないことをするのはアンチエイジングに良いのかもしれない。



僕は、次に母さんにふっかける無理難題を密かに考えている。


母さんにいつまでも元気に馬鹿笑いしてもらうために。






引用符 左

3回に分けて書いてきました。
全て読んでくれたという方、本当に感謝です。


ちなみに、母さんがたのんだのは鉄鍋を洗うブラシです。
amazon 鍋・フライパン洗い 大


GWということもあり連続更新してきました。
休みが明けても勢いは継続していきたいと思います。

引用符 右




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