少しの敗北感と溢れんばかりのノスタルジー
前回のチューペットが出てくる話をしました。
#034 小さな贅沢とあふれんばかりの罪悪感
最近知ったのですが、チューペットって2009年に生産終了したんですね。
さて、冒頭から当然のように「チューペット」と言いましたが、この名称では通じない方がいる事も最近知りました。
(※注:画像はイメージです。うちはマンションなので縁側はありません。)
僕の言うチューペットとは、プラスチック製の容器の中にジュースが詰められている棒形ドリンクのこと。
ドリンクとして飲めるが、凍らせてアイスとして食べる人が多いアレの事です。
これを見たことも食べたこともないという人は少ないと思います。
ですが、どうやら年代や地域によって呼び方が異なるそうです。
チューペットは前田産業が1975年から2009年まで生産し、登録商標を持つお菓子です。
僕が小学生だった頃は、夏になるとチューペットのCMがよく流れていました。
このCMで歌われるフレーズがあまりに印象的すぎたので、今までチューペット以外の呼び方があるなんて疑いもしませんでした。
チューチューチュチューチューチューペーットォー♪
チュチューチュチューチューチューペーットォー♪
チューーチューペッツ!!
無意味に熱くなりすぎました(^_^;)
ふぅ。
しかし、日本で初めて発売された棒形ドリンクは、アルプス製菓の「チューチュー」というものだそうです。
そのため、「チューチューアイス」と呼ぶ人も多くいると聞きます。
他にも「棒ジュース」や「ポリドリンク」などという商品名もあるそうで、近くのスーパーがどの商品を扱っているかで地域によって呼び方が変わってくるのだと思います。
また、商品名ではなく“音”から来る呼び方もあり、吸う音から「チュッチュ」、二つに割る音から「パッキン」や「ポッキンアイス」と呼ぶ方もいるそうです。
ちょっと面白かったのは、ポキッと折って二個になるところから「ポキニコ」など、アイデアある名称もあるようです。
さて、「チューペット」と聞いたことがない方にもわかってもらえたところで、以下よりチューペットの名前で押し通します。
前回、チューペットのお話をしたのも、最近チューペットを食べる機会があったからなんです。
スーパーでレジに並んでいる時、レジ横に置いてあったので思わず手にとってしまいました。
「いつか一本丸々ひとりで食べてやるんだ」
昔はそんな事を本気で願っていたカワイイ少年だったんです。
そんな小さな野望を持った少年も、今では一本どころかチューペット一袋買えるほど大きくなりました。エッヘン!!
そして、少年の贅沢が叶う瞬間が来たのです。
昔の憧れを思い出し、意味もなく緊張してきました。
「一本たった20円30円のものに執着してたんだなぁ」
そう思うと、何だか昔の自分が愛おしくさえ思えてきました。
「時は満ちた!いざっ!!」
僕は力のかぎりにチューペットをヒザでへし折った。
パキッ
…ゲッ
久々すぎて、チューペットにやってはいけない失敗がある事をすっかり忘れていました。
チューペットはキレイに“クビレ部分”で折れるとは限らないのです。
それにしてもこのデジャヴ感。
昔もこんなことがあったような…?
この時思い出したのが、前回話した小学校の時にズルして食べた一本のチューペットだったのです。
「うん。こんな味だった。甘くて…ちべたい。」
不恰好なチューペットを両手に持って感じるは、
少しの敗北感と溢れんばかりのノスタルジー。
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人気アニメ銀魂ではチューペットが「チューパット」の名称でたびたび登場します。
チューペットは前田産業の登録商標なので、そのまま使うことはできないという大人の事情です。
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テーマ:おもいでのヤンゴ
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