天空の楽園・黒部釣行(その3)By2nd Rangerover | 2nd rangeroverのブログ

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天空の楽園その3 黒部の天然釣り堀は実在するのか?

 

初日釣友がそれぞれ2-3匹の泣き尺を釣り上げながらも、黒部と言えど安易に尺物の入れ食いなどさせてくれないことを思い知らされる。これも何時ものことだ。
初回参戦の先輩には黒い顔の尺イワナを釣り上げるという目標があったので何とか果たしてあげたいと、前夜に黒部の釣りについて少しうんちくを語った。餌釣りの場合、大きなえさを底にゆっくり流す常套手段が主流だが、黒部のイワナたちは脈筋にあまり出ないし、又、自分より下のエサは食わない。この時期は特に上を見ているので、思い切っておもりをはずして餌を浮かし気味にたるみを漂わすといいかも知れないとリコメンドしてみた。二日目の朝食を7時にし、4時45分起床で5時から近傍の沢で朝釣り、通称"朝練"をすることにした。朝まずめのこの時間帯はこの沢のイワナたちは最も活性が高くなる。翻ってこちらは薄暗い中でフライのアイにティペットを通すのが一番きつい。皆そうだ。しかもこの日の朝だけしっかりと天気予想通りの雨。ティペットが指に絡みつきうまく針を結べない。

イライラがつのる。結果、先輩はめでたく黒部の尺イワナを手中に収め、うまい朝飯を食ったのであった。おめでとうございます!
さて、黒部の釣りで一番悩むのが、反応が悪いからといって、他の渓に動くのか、辛抱して釣り上がるかの判断だ。隣の渓に動くにせよ最低、小一時間は山歩きになるのでその分釣りの時間が減少するということになる。朝練はとりあえず満足まではいかないが不満もないというところだった。次の渓まで二つの名無し谷を超え、崖下50mで20㎝の幅の登山道を乗り越え渓におりる。登山道の付近はイワナから返事がない。ただ、ルアーの釣友からは反応があり、魚が多いということだ。これはヒントになる。標高1500mから1550mまで釣り上がるが、3人目フライ、ルアー、の次にフライで釣り上がるとすこぶる反応が悪い。そりゃそうだ。そこで黒部らしくないが短い流れにフライを乗せると中型がバサッとでた。

よしよし、二時間ノーバイトでやっとこさ結果が出た。この沢は巻や岩下ではなく活性が高い脈脇がいいようだ。上流の釣友からも同じような反応と意見がでた。隣の沢へ移動するなら

この沢を釣り上がったほうが結果がでそうだ。標高さらに50m左岸右岸に渡渉しながら、先行

の釣友が手招きをする。どうしたのか?釣り上がっていくとこんな場所だった。

この後、奇跡の黒部天然釣り堀が始まる・・・。標高1600m大きな淵と落差のある滝。釣友が満面の笑みでこういった。”尺がドライに次から次ぎ”にと…。さあやってみてと確かに大きいのが次々ライズしているのが見える。では”ほい””ボン!”きた!ってな感じだ。黒部の天然イワナの釣り堀は時合が合えば実在することを知った。それは季節と気温と天候で現れる奇跡の釣り場なのだ。もうかれこれ10年黒部の峪に通ったが、一か所でこれほどの釣り堀状態は初めて!釣友が幸せな1シーンを撮っていてくれた

 

 

 

メスの尺イワナが上がりました!

そして滞在最後の日に私の大好きな悪そうな顔の黒部オスイワナが上がりました。これで満足して納竿です。今年も黒部は私たちを心の底から楽しませてくれました!来年もよろしく!

急峻な山が美しい水を育み、自然を守り天然のイワナを育てています。

美しい自然に乾杯なのであります!

 

 

※黒部の山の遡行は危険が伴います。登山経験と山岳釣行経験のない方は安易な入渓をご遠慮ください。又、すべてのイワナは天然魚です。キャッチ&リリースをお願いいたします!