運営体制とサービスの衰退 | A Day In The Boy's Life

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とあるエンジニアのとある1日のつぶやき。

社内でもいくつも業務改善のプロジェクトなんかが立ち上がっては推進されていくわけですけど、数年もしないうちに一気にしぼんでそのサービス自体が衰退してしまうケースってよく見受けられます。

こういうのってプロジェクトオーナーがかじ取りを誤ったり、予算取りがうまくいかずにとりあえず現状維持をしていくうちに使われなくなってきたり、軌道に乗ったのを見るとあとは惰性で何とかなるんじゃないかと一気に熱意が失われていったり色々なんですけど、結局のところしっかりとした運営体制を最初に作りそれを維持できるのかという点が結構大きいと感じたりします。

 

 

サービスの裏に人

 

当たり前ですが、何らかのシステムとか仕組みを作ってサービスを始めたところで、それを支える裏の人というのは当然必要になります。

システムは道具であるわけですから道具を手入れしたり、活用方法を広めていかないと誰も使われなくなります。

 

プロジェクトの開始にはこういった体制をしっかり意識しようとはするものの、月日の流れとともに役割や組織の変遷を経てそれを維持するための裏の人がどんどんとポジションを離れて行ってサービスを維持することができなくなるのはよく見かけます。

かろうじて維持できていたとしても、そこに何らかの意思をもって対処する人はいないわけで、そんなサービスに未来などないわけです。

当然、中の人も「これやってだれか見る人はいるのだろうか」「この作業に意味はあるのだろうか」などとモチベーションも低下することになります。

 

サービスというのは作ることが目的ではなく、それを活用し維持し発展していくことが前提としてあって、その先に求めていた成果があるはずなのに多くは作ることに注力して、できればあとは何とかうまく回っていくだろうという楽観的な発想を持っている人が多かったりもします。

たぶん、当初の計画の中ではサービスのロードマップとして、何をどうしておけば集客や利用率や成果を得ることができるだろう絵空事が描かれているのだと思いますが、当然そんなものは計画通りにいくとは限りません。

また、月日の流れやニーズの移り変わりとともにそのサービスも姿を変えていかなくてはいけないわけですが、そういったことは当初の計画の中には当然盛り込まれていないことで、運用していく中でその部隊がうまく考えてやっていくでしょうというかなりグレーゾーンとして考えられたりもします。

 

結局のところ、サービスの裏には人が必要だというごく当たり前のことがちゃんと考えられていないせいで維持することができない状況になったりするわけです。

 

 

目的・目標を語る人

 

プロジェクトを開始した当初はあれほどそのサービスの必要性を訴えていたのに、いざできてしまうとそれに満足して主力部隊を次のプロジェクトに回してしまうケースもよくある話です。

中の人が変わると引継ぎの過程でそのサービスの目的や意図を正確に把握できなくなったり、新しい人にそのサービスの未来を描くモチベーションを持ってもらうのはなかなか難しいことではあります。

 

また、サービスイン後にプロジェクトで描かれた目標というものを定量的に評価しながら、ずれなどがあればうまく軌道修正する役割の人というのは必要なわけですけど、多くはサービスを作ってしまえば当初の目的や目標というのは忘れ去られてしまうケースが多いのではないでしょうか。

まぁ、数年後に似たようなプロジェクトが立ち上がったりして、「その目的ってどっかできいたことある・・・」とか「あのサービスを作ったのはなんだったのだろうか」とかになるわけです。

それでも「あのサービスはここがよくない」とか「あれ、もう誰も使ってないでしょ?」とか言われてよくわからない道路工事のように掘っては埋めるという誰も得しないプロジェクトが生まれては消えていくことになります。

 

かしこまって目的や目標などを語りだすと周りが距離を取り出すことはあったりもするのですが、それでも誰かがそのサービスの未来というものを描かない限り、何を指標に進めばいいのかわからなくなり混乱を招きます。

こういった混乱は継続するとそのサービスを維持することの意義が失われることにもなってくるので、単純な話そのサービスを誰が何のためにどこに向かわせるのかということを定め、それを常に示すことができる人がいるということが大事なのではないかと思うわけです。