便利屋がいた方がプロジェクトは捗る | A Day In The Boy's Life

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とあるエンジニアのとある1日のつぶやき。

便利屋といっても要はオールラウンダー(今風で言うとフルスタック)な存在であったりするんですけど、プロジェクトはレイヤーが違う幾つものタスクの積み重ねで成り立っていますので、色んな場所で活躍できる人材がいてくれた方が何かと助かります。

ただ、実際問題そのような人材というのはなかなかいませんし、いたとしてもうまく機能しないケースが多かったりします。



タスクの隙間を誰が埋めるのか


プロジェクトは無数のタスクに分割され、それぞれの担当が決められ対応していきます。

一見、役割分担をうまくしているように見えても実際にはタスクの隙間というのが存在してしまいます。

箱(プロジェクト)の中にボール(タスク)を詰めていっても隙間ができるのと同じで、綺麗に詰め込めたつもりでも隙間だらけというのはよくある話です。


この隙間に結構落とし穴があって、その細かなタスクを担当する人が決められておらず宙に浮いてたり、「それそっちの担当と思ってたよ」とかで押し付け合いになったり、いつか誰かやるだろうと後回しにした結果、タスクをつなぎ合わせるところでうまくいかないといった大きな課題が直前で露出したりします。

こういうのを埋めるための幅広い知識を持っている便利屋となる人の存在ってかなり重要なわけで、細かいところに気が付いてカバーしてくれたり、担当者間のごたごたに仲介してうまく取り持ってくれたり、作業を効率化するためのツールの提供や調査などを行ってくれたりします。


システム開発の現場で言えば、モジュール間の仕様のずれに気が付いて修正パッチを作ったり、原因がよくわからないけど取りあえず回避でほっとかれたエラーの調査を行ったりとか、もはや誰も何も考えずに実行しているコマンドを理解して自動化するとか、誰も書こうとしないテストコードを書くとか、運用チームへの依頼や調整とか、煩い担当者との要求レベルとスケジュールの折り合いをつける交渉とか、枚挙にいとまがなかったりするんですけど、「そのタスクはこのチームが担当ね」と仕切ったところでプロジェクト推進上でこうした課題や新しいタスクというのはどんどん出てきます。


プロジェクトの中に隙間ができるは単にタスクの洗い出しに問題があったというだけでなく、どうしても担当者間で認識のずれが出ていたり、どっちがやるのか曖昧な領域があったり、担当チームの負担を増やしたくないために押し付け合いになった結果であったりと理由は様々あるんですけど、何れにせよそういう隙間というのは必ず発生してしまいますし、誰かが手を上げて対応しないと延々と放置されたりしてプロジェクトの後半になる頃には手が付けられないような状況になったりします。


要はそういう隙間を埋めることができる人材はどんなプロジェクトでも必要が出てきますし、出番が必ず回ってくるものだったりします。



誰が便利屋を買って出るのか


便利屋といえば都合がいい感じがして、実際プロジェクトマネージャーとかからもそういう目で見られている人も多くいたりはするんですけど、こういうポジションに選ばれるのはある程度の経験があって特定の専門分野に長けた人に押し付けられるのが常だったりもします。


何故こういった隙間を埋めるポジションや専門チームを作らないかは、(もちろん要員不足というものもありますが)プロジェクトリーダーなどが積み崩したタスクに網羅性と妥当性があると判断しているからで、担当者をきちんと決めて進捗を出せばうまく運営できると思っている部分はあるんですけど、どんなに細かくタスクを分割していったとしても先に書いたように隙間を100%埋めるようなことは無理なので便利屋に代打を必ずコールしなければならないの状況が生まれます。


また、最初から経験があって専門知識が豊富なキーとなるエンジニアを特定のポジションに付かせずに隙間を埋めるための便利屋として後方支援に回すようなことはプロジェクト運営的には誰もやらせたくないでしょうから、通常はシステム開発のリーダーなり現場の最前線に立たせる事となります

こうなってくると、自分の持ち場があるために他のレイヤーにまで気を回すことは難しくなりますし、手を出してしまうと自分の首が回らなくなってプロジェクトに悪影響を及ぼすことになったりします。

実際、こういった便利屋となるキーパーソンが色んなタスクに首を突っ込まれたり、担当外のその他の炎上案件の火消し役として参画させられることも多かったりして、負担がかなり大きくなることで別の課題が出てくることも多々あります。


ということで、プロジェクト運営的には様々なタスクで浮き彫りとなる課題を解消するための選任チームを置くこともなく、問題が浮き彫りになってからの付け焼刃的に今ある誰かをそれにあてがうようなことが繰り返されています。

個人的には、こういう便利屋の存在って選任がいないならプロジェクトリーダーやマネージャがやればいいのではと思ってたりはしますが。

進捗管理している関係でタスクの全体感が見えていますし、そもそも自分が洗い出したタスクの中に問題があったりもしているわけですし、各担当チームへ横断的に指示をできる権限をもってたりもしますから。

そのためにも当然、各専門チームに対応できるスキルや知識は当然必要となってくるわけですけどね。