世界の貧しい子どもたちは、もうLinuxで苦労しなくてもよくなる @ TechCrunch Japanese
世界の途上国と先進国との間で広がっているのは貧富の差だけでなく、情報格差も大きな問題となっているのでこのように子供にPCを配り、幼いときから教育をしていく事は望ましい事だと思います。
その子供たちが大人になったとき、仕事でPCを使う事は避けられないでしょうし、ネットでの新たな表現方法を身に付けたり、そこで経済圏を気づく事は、先進国より途上国の方がその効果が大きいと感じます。
特に、ネットでの新たな経済圏の築き方については、梅田望夫氏は「ウェブ進化論 」の中で下記のように表現しています。
「何だケチな話をしているなぁ。それだけじゃ食えないだろ」などと言うなかれ。それはフルタイムの安定した仕事に従事する「持てる者」の発想だ。グーグル経済圏に最も敏感に版のするのは「持たざるもの」である。
ブログでアフェリエイトをしていて得る収入は微々たるものであるかもしれませんが、それは我々の経済圏において相対的に微々たるものであると言う判断で、その経済圏の水準が大きく下回る途上国において、そこで得られる絶対的な収入価値は大きな支えとなりえます。
で、その子供たちが触れるPCに含まれるOSの多くはLinuxでしたが、Windowsに触れれることができる道も開かれたと言う話ですが、これが果たして子供たちにとって吉と出るかどうか。
少なくともデスクトップLinux を触れるよりは、Windowsに触れるほうが操作は簡単です。
ただ、Microsoftが子供たちにWindowsを使わせておくのは、将来的なことを考えての印象付けを行っているだけに過ぎないとも感じます。
その子供たちが成長した時に、自社のソフトウェアを使うだろうと。
そういった途上国の子供が成長し、Windows上でありとあらゆる事をやってのけるほどの経済圏を築くのは、難しい場合も多いでしょう。
子供の頃は特別に付与されたWindowsPCで慣れ親しんでも、成長してそれで何かをやろうとしたときに、高額なソフトウェアを使用することになった場合、それをサポートする体制はとられていません。
PCというのは、現在において様々な場面で必要なデバイスになってきていますが、PCという代物自体の価値というのは薄れてきています。
今PCが重宝されているのは、単にネットに接続するためのデバイスとして最も普及しているからだけの話であって、その他のデバイスでもネットへの接続が進んでいっていますので、PC自体に求められてくる事と言うのは低下していく事になるかと思います。
つまり、重要なのはPC自体の使い方ではなく、ネットへのつなぎ方です。
そうなってきた場合に、OSというのはどうでもよい話になります。
多機能だが高価なこちら側のソフトウェアと言うのは、子供たちにとって無用の長物ですし、単にネットにつなぐためのブラウザがあれば良いのであれば、Windowsという選択肢は特に必要ありません。
Linuxが何故、複雑なOSかというのは、むき出しのOSだからです。
Windowsのように綺麗に装飾されていない、原始のOSだから。
そこには歯車がはみ出して見え、それを操作するには直接そのギアを動かさなくてはならない。
(いわばマニュアル車)
多くの場合で、Windowsのようにオートマチックにというわけにはいきません。
それは子供たちにとっては複雑なものでしょうが、ソフトウェアの基本構造を学ぶ上では適したOSでもあります。
また、自分の可能性を何処までも「自由に」広げる事ができるという、Linuxを中心としたオープンソースの存在や思想も、途上国の子供たちにとってはより向いているのでは感じます。
Windowsに触れるのは、そういった全ての選択肢を辿った末の贅沢品という事でよいのではと。
しかし、子供専用のLinuxOSが出てこないのも不思議な話だなぁ。