入院してました | 大山格のブログ

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おもに歴史について綴っていきます。
実証を重んじます。妄想で歴史を論じようとする人はサヨウナラ。

 実は正月2日の昼過ぎ、あまりに呼吸が苦しくなったため、迷惑だろうなぁとは思いつつ、救急車を要請しました。そうしたら、あっさり都立広尾病院への搬送が決まり、そのまま身柄を拘束されてしまいました。

 診断は、心不全でした。

 呼吸の苦しさは、救急車で酸素マスクを貰うだけで、かなり改善されました。病院では半強制的に酸素が口と鼻に流れる仕組みになっているマスクをつけられ、息苦しさはなくなりました。

 たぶんですが、ベイダー卿の呼吸音がするマスクと同じ機能なんじゃないかと。それをつけていると食事は出来ません。そういえばダースベイダーがなにか食べているところって見た覚えがないですね……などと、くだらないことを考えたりしていました。

 しばらくして、当直医から心不全という診断名がくだります。

 えっ? と思いましたが、心臓が正常に動いていないせいで呼吸が苦しいのだそうです。もちろん、そうなるくらいにあちこちガタがきています。ふだん健康診断をさぼっていましたが、病院側は厳しく余罪を追及します。糖尿病、メタボ、動脈の硬さなどなど、ふんだんに機材を用いて次から次へと。

 まず、息苦しさの大元は心臓にあるらしいことがわかりました。そして、肺に水がたまっているほか、余計な水分が大量にあることも問題でした。そして「CCU」という、循環器系の集中治療室に入れられました。24時間体制の監視つきです。

 最初の治療は、利尿剤を点滴で投与して、余計な水分を追い出すことでした。このとき尿道カテーテルを突っ込まれ、かなり痛い目に遭いました。点滴と尿道カテーテルの管でつながれ、ベッド上で絶対安静です。横になって寝ていると呼吸が苦しいので、電動ベッドの背を起こし、膝も上げ加減にして、この姿勢で固まっていないといけません。これで、とにかく呼吸は出来ます。とりあえずの危険は去ったわけです。

 このまま一夜を過ごしました。少しは眠れましたが、不安な気分のままでした。なにせ、人生で初めての入院で、いきなりの集中治療室でしたから。担ぎ込まれたときには、明日か明後日には帰れるかなんて思ってましたが、当直医からバトンタッチした循環器科の医師によると、最低でも2週間の入院が必要だそうです。

 あまり眠れなかったけれど、ひとつ思い出すことがありました。

 まだ十日も過ぎていなかったクリスマスイブのことでした。いつものように閻魔堂にいたところ、チョットした珍事がありました。

 お裾分けにあずかったオレンジ入りのパウンドケーキが非常に美味で、少しずつ味わって食べていたところ来客があり、閻魔像の特徴など説明していたら、近所で懇意にしている大型犬が単独で現れ、あれよという間にケーキを咥えていってしまったのです。
 たまに綱から解放されて単独行動をとることがあるんですが、レトリーバーなので温和しく、まったく危険は感じません。また、そんな意地汚いマネをするような感じはしないんですよね。すでに老犬だし、いたずらなんかするよりはグデッとしていたそうな感じで。珍しいことが起きた、という風に、その犬を知っている誰もが思ったものでした。

 いまにして思えば、それは犬からの警告だったのかもしれません。

――そんな甘いもん食べてたら、死ぬよ?

 そう、伝えようとしたのかもしれません。そんなことをあれこれ考えたり、うとうとしたりするうちに無事に朝が来て、集中治療室を出ました。

 2日目からは循環器科の病棟に移って治療です。最初の一週間は利尿剤の投与で、余計な水分を外に出すことが主でした。どんどん体重が減り、一週間で5kg以上も落ちたのですが、減ったのは、ほとんどが水分だそうです。おかげで身体中、むくみがなくなりました。

 ここで治療は次の段階へ移りました。それはまた次の機会に。