短いながらも毎日届いていた
彼からのメール。
それに支えられていた。
なのに帰国前日になって
途絶えてしまった。
このことがわたしの心のバランスを
崩した。
この日。
朝から一体、何回携帯を
確認したことだろう。
でも受信箱に彼の名前が
表示されることはなかった。
昼間はロケ現場に
出ていることはわかっていた。
きっと夜にはきちんとした形の
メールが来るだろう。
望みを繋いで待ってみた。
20時。
21時。
22時。
いくら待っても来ないメール。
今夜が日本で過ごす
最後の夜だというのに。
このまま何も連絡がないなんて
耐えられなかった。
とうとう痺れを切らし、
わたしのほうからメールを入れた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
日 時： 2010年８月３日 23時
差出人： ゆりな
もう寝ちゃった？
明日はお昼過ぎに家を出て、
成田へ向かいます。
18時発のユナイテッド航空。
アメリカ本土で乗換えて
ウィンターランドへ着くのは、
現地時間の夜10時半。
そこから車でコテージへ移動します。
ウインターランド滞在は19日まで。
ラストリゾート諸島の家へ戻るのは
20日の夜。
コテージにはパソコンがないので、
メールは出来ないと思う。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
このメールに気がついて、
返事をくれるんじゃないかと
期待した。
けれど、結果は虚しいだけに
終わってしまった。
それでもあきらめのつかないわたしは
さらにもう一通、メールを送った。
（続く）
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