7/11付の日本経済新聞では、主要上場企業288社の2007年3月期の監査コストが前期比47%も増加していることを伝えています。
背景にあるのは、監査の厳格化の影響を受け、会計士の監査作業時間が増加していること。
2006年3月期の増加率は26%だったそうですから、それを上回る伸び方です。
増加が大きいのは、米国会計基準で財務諸表を作成している企業です。
同基準の31社合計の監査報酬は、なんと75%増だそうです。
記事中、監査報酬の支払が多い企業がピックアップされていますが、
日立製作所 44.9億円(94%増)
三井物産 28.7億円(59%増・10億円強増加)
ホンダ 27億円(2.4倍)
NEC 22.2億円(2.1倍)
トヨタ 18.5億円(2.1倍)
など、軒並み大幅アップ
SEC基準で求められる内部統制監査の費用が多額にかかっているようです。
(それにしても日立、約45億円とはすごい金額です。ちなみに2007年3月期は327億円の当期純損失なので、監査報酬で赤字になったわけではありませんが・・・。きっと、子会社・関連会社多すぎなんじゃ・・・)
また、日本基準の企業でも、監査報酬は23%増加しているとのこと。
決算を過去2期分訂正した日興コーディアルグループが、7,000万円から8億6,000万円に急増。
2期連続赤字のJALも2億4,000万円から3億円に増加。
こりゃぁ、日本でも内部統制監査がスタートする2009年3月期決算は、日本基準の企業でも、監査報酬の増加による利益圧迫を懸念しておかないといけないかも。
企業が、みな、予算に織り込んでおけばいいんでしょうけれどネ。
それでも、2008年3月期から比べて、減益だとかいうことになると、喜ばれないこと間違いなし
かくいう当社も、株主総会後から新しい監査年度に入りましたが、最初は一声、20%アップの申し出が...。
当:「いやいや、先生、それはご無体な・・・。
せめて、5%アップくらいで、どうにかなりませんでしょうか」
会:「いやぁ、そうおっしゃられましても、お会社で作業している以外の事務所で作業している時間も非常に多くなっておりまして・・・。」
当:(そんなん知るか いきなり400~500万円も上げられたら、たまったもんじゃないわい。)
「確かに往査している時間だけが監査じゃないのは、よく理解しておりますけれど・・・、それでも会社に来ていただいて、帳票見るとか、部門の担当者からヒアリングするとかの実作業時間が2割増しとかならイメージつくんですが、いただいた監査日程だとそうでもないじゃないですか。
むしろ往査日数としては、若干減ってませんか」
会:「まぁまぁ・・・。どの会社さんでも監査時間が増えているので、人のアサインが大変なんですよ。これでも目一杯、お会社のほうにお邪魔するように頑張っておりますので・・・。」
なーんて押し問答をひとしきり。
冷却期間をおきつつ、2週間くらいかけましたが、結局15%増で押し切られました・・・(T.T)
結局、監査って人の作業時間だから、厳格化で手間が増えているところ、合理化なんて無理なのは分かっているんです。
ま、こちらも企業側の人間なので、「20%増しの請求です。はい、そうですか 」って訳にはいきませんわね・・・。
それでも、事務勤の時間も会社にチャージされるのは、多少割り切れなさも残ります。
監査法人内の審査が厳格になっているのでしょうから、その審査を受けるためのあれやこれやの資料作りもおそらく大変なんでしょうが、その時間も監査日程に加味しているわけでしょ?
うーむ・・・。
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