藤堂物産で働く本田承太郎はこの会社で10年働くサラリーマン。
本田承太郎は部下の前田と共に人事部部長「倉持」に呼び出され
勉強のために講義を受けていました。
第43話:上司がやりがちなミス
倉持は当たり前の事や、人間力を鍛える事が出来る
【地獄合宿】があると本田に話していました。
今回の講義終わりでその件の詳しい話を
聞かせて貰えることになり、
本田承太郎の部下である前田は
「自分ももしかして参加しなくちゃいけないんですか・・・」と
あからさまに嫌そうな顔をしていたのでした。
そして講義は本日最後の議題に入り、
倉持は前田に対して質問しました。
「前田さん、お店にとって理想の店長像とはどんな存在かしら?」
「そうですね、お店にとっての条件だと売上を上げられる人ですか?」
「そうね、ではアルバイトに同じ質問したらなんて答えると思う?」
「う~ん、自分がバイトしてた時を思い出すと
優しいとか頼りがいがある感じの店長が理想的でしたね」
倉持はこのように会社内でも
雇われている雇用形態や役職によって
意識の違いが生じると言います。
特に飲食店の店長がやりがちなミスが
アルバイトにとって好かれる行動をとってしまう事です。
店長の仕事と言うのは
・アルバイトの教育
・お金の管理
・接客
・クレーム処理
など「問題を解決すること」なのですが
円滑に仕事を進めるために少なからず
人に好かれる能力を持つことも必要となります。
そこで犯してしまいそうなのが
・部下にできる仕事をする
・必要以上に仲良くする
・簡単に手伝ってしまう
・任せた仕事を取る
・不測の事態が発生した時に
把握できない・対応できない様なポジションに就く
・専門外の仕事をする
・部下の更に部下に口を出す
親切心・部下に好かれようとして・見かねて
格好つけて・考え無しに
このようなケースで甘さを出してしまい、
ピーク時・繁忙期の仕事の効率が逆に
悪くなったりしてしまいます。
さらに甘いケースでは
アルバイトの女の子に好かれたくて
優しくしたり、怒らなかったり、贔屓したり
特定のアルバイトのみに厳しくしたりして
他のアルバイトに好かれようとするなど
権力のあるポジションであればあるほど
歯止めが利かない場合もあるものなのです。
問題は、
「その状態の時は気付かない」
という事です。
実際、アルバイトに好かれる行動を取ると
ある程度言うことを聞くようになるし
働いている店長は気分が悪くありません。
スタッフも元気に活気が良い状態なら
なおさら改善する行動にはならないでしょう。
ですが、問題はすぐに露呈します。
スタッフに甘くした結果
自分がやらなくて良い余計な仕事を
する羽目になったり
クレームなど問題が起こった時に
誰も対応できないなどの最悪のケースも
生じてくるのです。
さらに、一度甘さを見せると
改善するときにはスタッフからは反発心が生まれ
問題を改善できる管理職でないと
健全な状態に持って行くまでに時間が掛かってしまうのです。
当然その間の営業状態で評判を落としてしまう結果になるでしょう。
店長や管理職においては
好かれることも技術の一つですが
方法を間違えるとこのような結果にもなりかねないので
自分を律する精神力も必要となるのです。
よく飲食店で社内恋愛は禁止なのに
店長とアルバイトの女の子が付き合ってると
噂になることがあります。
こういう事例が囁かれるようになると
お店は黄色信号だというのが倉持の見解でした。
なぜなら、部下を育てたり
教育することと好かれる事は逆に位置するからで
好かれる要素でモチベーション等を
カバーするから成り立つというのです。
前田がふとこんな質問をしました。
「じゃあ、教育すればするほど嫌われていくって事ですか?」
「そうね、管理職や店長は嫌われ役と言うのが
一般的に言われてるけどそれだけじゃあ持たないのが
最近の雇用体制の難しいところよね」
厳しくするとアルバイトも社員も
すぐに辞めてしまったりする場合もあると言います。
倉持が言うにはこういう事例から
ある弊害が生まれるといいます。
つづく
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