義理チョコ日本初の女性の宮司と巫男の梅宮大社…女が男への戦いを宣言した神社・伏見稲荷大社の物語…71話

嵯峨天皇の皇后の橘嘉智子は天皇との親王は5名もいるが、一方の天皇はこの5名の他にも離宮を含む宮中に8名、さらに外に10名ほど子供がいた。皇后にとってはこれが嬉しいはずがなく悩みの種になっていた。それに宮中ならまだしも外での愛妾との出会いを手引きしているのは稲荷神社三代目の宮司の伊蔵、松尾神社の稲公に違いないと結論をしていた。

この神社の他の有力神社というのは上賀茂神社、下鴨神社、それに向日神社があったが、これらの宮司らは嵯峨天皇と仲が良くて皇后にすればこれらの神社に参拝するのも腹が立つ心境になるのは当然になる。しかし、なにかと皇后だって占ってほしい事柄があるので官女の藤原麗美(ますみ)に相談していた。皇后は麗美に、
「男どもは天皇に女を近づけては喜んでいる。天皇は天皇でアチコチにポコポコ子供を種付けしている、少し男どもを懲らしめなければなりません」
「皇后さまその通りです。官女も従女も悩みがあって男本位の神社の宮司に相談しても男に有利な占いの結果しかでません」
「そこで麗美よ、どこか女の味方をしてくれる神社を探してほしい」
「はい、お言葉ではございますが、京の都の神社はすべて京都神社協会の会員ですから…」
「それなら奈良の神社は?」
「いえそれが…奈良の神社のすべては奈良仏教会の配下ですから、またややこしい権力闘争にも発展しかねません」
「そか、それなら奈良に近いが綴喜郡井手町にある橘家ゆかりの梅宮神社というのがあるがこの神社は奈良にも京都にも一線を角していると聞いている」
「はい、一度調べてまいります」

こうして官女の調べてこの梅宮神社は奈良にも京にも属していないことがわかった。この梅宮神社というのは橘家の祖神になり神紋も「橘」だった。その15年ほど前には天皇との間には長い間子供ができなかったので皇后は梅宮神社にお参りしたところ皇子が誕生したという逸話があった。そこでこの梅宮神社を安産の神として井手町から都に引っ越しをさせるという大作戦を皇后は考えていた。

この責任者となった麗美は官女10名、侍女10名とで女神社建立プロジェクトチームを立ち上げていた。まず神社の引っ越し先は稲荷神社が松尾神社の近くでこの二つの神社の女の信者を取り込む作戦であった。ところが稲荷神社の近くにはいい物件はなく松尾神社のほん近くの梅津に決定していた。この地は松尾神社のテリトリーで四条通りから東へ朱雀大路までに氏子がいた。その間に皇后肝いりの神社ができれば少なくとも梅津村の農民らはこの梅宮神社の氏子にならなければならないことになる。そこで松尾神社宮司の稲公と稲荷神社の三代目宮司の伊蔵の二人で嵯峨天皇の六条河原離宮に直訴していた、天皇は、
「ほう、その件か~予も頭が痛い」
稲公は、
「いえ、神社には京都神社協会の決まりごとがあって勝手に人のテリトリーに神社を建立してもらっては困ります。それに梅宮神社は松尾神社と同じ酒の神様です」
「ままそういうな~稲公、皇后ばかりか公家、貴族の女人どもはこの女神社建立で結束をしている。それに責任者の麗美はお主の妻の徳子さんにあのことを言うと息巻いている」
「えっ?なんのことですか?」
「お主の愛妾の武御前が生んだ子供は女の子だといっているが、それは男の子だと知っているらしい」(70話参照)
「えっ!誰がそんなことを…」
「そ、そんなことは誰でもいいが、そうなればお主は婿養子を離縁されるがそれでもいいのか?稲公…」

さらに天皇は、伊蔵に、
「ところで伊蔵…お主は最近、祈祷をしてほしいという天満屋の後家の屋敷に通い、特別祈祷と称して3時間ほど二人きりになったそうだな~」
「あっ?はい、それは占いが当たったお礼に千本鳥居に鳥居を寄進したいという申し入れがありましたのでその打ち合わせで屋敷に伺いましたが…それがなにか?」
「ほう、しかし、宮中の女官の間では伊蔵とその後家とができているというウワサがあり、麗美はそれを吹聴すると息巻いているが…」
「いえいえ、それは誤解です」
「そか、しかし伊蔵、よく聞け、このウワサの発信元は宮中になるので信ぴょう性はかなり高いと世間に思われるが、お主の妻や社家、信者にその言い訳が通用すると思うのか?…それでも女どもの梅宮神社の建立には反対か?」

もちろんこれらの策略と脅迫は麗美の仕掛けたことだが、これには伊蔵も降参をしていた。そして天皇と3人で酒盛りをしていたが、天皇は、この2人に、
「日本の国の半分は女性になる。その女性の支持がなければなにごとも上手くはいかない、この女性は時には男同士の野蛮な戦争を止める力にもなる。しかし、今回のように女性どもに操られてもいけない。今後は男が女性を上手く操れ!」
そこで伊蔵が、
「て…天皇、今夜は少し歯切れが悪いが、もしかして天皇もあの麗美になにかで脅迫されているのでは?」
「おっ!さすがじゃ~実はそういうことだが、それは秘密にしておこう~それより、伊蔵、その~天満屋の後家との色気話を聞かしてくれ…そそ、それと稲公、お主の若い武御前の話もじゃ~」

こうして嘉智子皇后が寄進した梅宮神社は井手町から梅津に引っ越しされていた。この神社の宮司は日本初の女性の宮司で巫女は女ではなく巫男になったのでこの巫男を目当てに公家、貴族はもちろん洛中、洛外からも悩める女性が押し寄せたというお話しでした。

カメラ…画像は、梅宮大社

 

 

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