『時代小説が書きたい』のことが書きたい
「時代小説が書きたい 鈴木輝一郎著 河出書房新社」というのを読んでみた。
別段時代小説を書きたいわけではないのだが、歳相応に落語の江戸人情噺、郭噺等の面白さに目覚め、少し範囲を広げて同系統の小説などを物色していて、この本にぶち当たったのである。
タイトルから想像されるとおり「時代小説作家」になるためのハウツー本だ。
この手のものを読めば必ず作家になれるわけではなく、読まなくてもなる人はなる、全頁全行に渡って蛍光ペンを引き回し、ボロボロになるほど読んでもなれない人はなれない。
さらに、著者自身「この本を読んで、もう次から次から時代小説作家が誕生するぞ。楽しみだな」と考えているはずもなく、こういうものを書くのが好きなタイプなだけの話で、「たくさん売れてくれりゃいうことないが、あまり売れなくても自分の作品の宣伝になりゃ御の字さ」と思っているのだ。
であるから、こういうものは、「著者が作家になった経緯を疑似体験し」、「自分も頑張れば作家になれそうな気分にさせてくれ」るものが良書と言えるのであって、その点では非常に優れた著作だと感じた。
とにかく、文章が面白おかしいのである。ちょっとクセがあるので、もしかすると嫌いな人もいるかもしれないが(誰かみたい)、私はこういうのは好きだ。
私も、「ライター稼業撃退塾」なるものを書いているけれども、あれをもっと実績のある作家が、もう少しまともな内容で、商業ベースに乗るものとしてやっていると考えるとよろしい。
まんまと著者の術中にはまって、このえーと誰だっけ?
鈴木輝一郎先生(いままで名前も知らなんだ。時代小説、歴史小説というのは、とっくに死んじまったような大御所、すなわち司馬遼太郎、藤沢周平、池波正太郎、山本周五郎などのお歴々が極端に強い特殊なジャンルだから、若手は辛いとぼやいている。なるほど確かにそうだ)の作品を読んでみようかと思ったりしているのである。










