俺の横に悦子が、安らかな寝息を立てて、眠っている。
日本人である彼女にとっては、本来、無関係な話だった、ハズだ。
米国カリフォルニア州のプリンストン大学で、遺伝子を研究して、優れた
実績を、上げていた彼女を、ナチスが、スカウトしたのだ。
金のためか、研究の面白さの、ためであるかは、分からない。
ついつい、自分をクローンするアイディアを、思い付いたのだろう。
それが、自分自身だけでなく、全ドイツ国民にまで、実行されるとは
思いも、しないで。
根っからの、研究者、なんだな。
俺も、瞼を閉じて、眠った。
・・
翌日。
朝。
よし！
全員、揃ったな！
最新の情報によれば、明日、北アフリカから、ロンメルが、帰国する！
ベルリンで、ゲーリング元帥と、面会する！
その会場には、巨大な、コロッセウムが、使用される！
コロッセウム！？
偉く、まぁ、仰々しく、出たものだ！
だが、それだけの、2人であることは、否定しない。
・・
いよいよ、明日だね！
悦子が、言ってる！
ウキウキ、している！
嬉しそうだ、なあ！？
そりゃ、そうだよ！
現代ドイツを、いえ、世界を主導する2人の、美貌の女の面会だよ！
見に行く、よね！
そりゃ、まあ、もちろん！
わーい！
・・
次の日。
俺の車、TOYOTA
2000GT！
ドゴゴゴゴゴーーーーーー！
全速で、アウトバーンを、突っ走っている！
・・
それでね！
うん？
ハマーン！
ハマーンが、どうしたって？
ハマーンのことは、アタシも、良くは、知らないのよ。
だけど、何となく、気が合ったっていうか、放っとけなくてね！
で？
ハマーンは、放っとくと、1人で突っ走って、自滅するタイプだから！
ねっ！
ねっ、とか言われても、困る！
・・
すでに、スタジアムの中に、いる！
目立っちゃダメだから、残念なことに、一般席だ。
だが、かなり良い席を、ゲットできた。
・・
今日の悦子の恰好は、上着は、例のごとく、白衣。
その下に、シックなスーツの上下を、着ている。
非常に、似合っているし、恐ろしく、綺麗だ！
悦子さぁ、いくつだっけ？
アタシ？
16歳だよ！
・・
ここにも、また1人、大変態が、いた！