第8部 悲しみの雨 第13章 心の言葉 | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー

封筒は厳重にセロハンテープで止められていた。愛歩は店長から渡された封筒を鞄の中に入れるとその日をお酒を飲んでいたことも手伝って開封することさえ忘れていた。愛歩は昨日の鞄をそのまま抱えたままで午後からH&Mに向かった。すぐに社長室に通され、愛歩は誠一に促されて椅子に腰をかけた。誠一は社長とは思えないほど愛歩に優しい笑顔を浮かべた。

(この人、前から不思議なほど自分に優しくしてくれる。少し変わっているけれど、なんでだろう?ひょっとしたら・・)愛歩の素面に隠された思いはけして出さないようにひたすら普通を装っていた。

ーLoveーという言葉を隠していた。誠一も愛歩に対峙するように座り、どう切り出すか少し思案しているようだった。

「あっ、君にお願いしたいことがあってね、知り合いの会社が人手が足りなくて、君に助けていただくてお願いしたいものがあるんだよ。僕からの紹介だから100%通るよ」

「本当ですか?」愛歩のボルテージは一気にあがった。

「あぁ」

「どんなお仕事ですか?」愛歩ははやる気持ちを抑えきれずに聞いた。

「警備の仕事で、女性でも大丈夫だっていうだよ。短期間だけでいい。一年、二年やってくれとは言わない。2〜3ヶ月だけでいい。僕からのお願いだ。報酬も君が望む方にしたい。ぼくからお願いしているから」誠一は懇願するようにいった。愛歩はいっとき考えるように下をむいた。

「・・・警備の仕事ですか?どーしよ・・・」

「女性でもできる仕事だっていっていたし、これから大事な建物を建てるから24時間体制で建物の周りを警備する簡単な仕事だから、もし無理でなければお願いしたいよ」誠一はまっすぐな目を見据えていった。

「なんか凄く不思議な気持ちです」

「・・・」

「この間、実は決まりかけていたお仕事の就業が延期してくれって言われて落ち込んでいたんですよ。2〜3ヶ月延期してくれって言われて、派遣も終わってしまったし、どうしようかと思っていた所にあなたからこのようなお話をいただいて、神様に願いが通じたみたいですね」愛歩はホッとしたように微笑んだ。誠一は不思議な面持ちで見つめていた。愛歩は誠一の顔みていて、この人と不思議な縁を感じていた。

「明日からまた来てくれ」


p.s

最近、特筆することもないのですが、漂うように暮らしていましたが、ふと感じたことがこの世界はhave  toの世界で「〜しなければならない」という義務がやはり根底にあり、その上での自由だと思うんですよ。でも本当の意味で人が幸せになるにはdon't  have toだと思うんですよ。何にも追いかけられない、何かに追われない暮らし、しなければいけない、ではなく、、〜したい!という気持ちの上に物事が存在しているとやはり穏やかな幸せになれるんだなぁって気がついたんですよ。でも大人になるとやれ税金やら、男の人は家庭を養ったり、いろんな義務があり、子供も義務教育でいきたくなくても学校に行かなくてはいけない。大人でも子供でも義務が大なり小なりついてくる。でも人間が不幸になる理由も「〜しなければいけない」が心をしめつけて、望まないことにしめつけられて運気がどんどん落ちていくんですよ。矛盾しているんですがね。だから私も生きることが義務だと思って、それ以外のことは最小限にとどめてやりたくなければやらない、ダイエットも放棄して、魂が望むように生きていこうと思ったのでした!最近ね。ほんの少しの気づきで考えが人間が変わったように変わり、、自分で少しびっくりしているんですよ。ようは無理はしない生き方をおすすめしめる。限りなく自分に優しくね。

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