めぐ未は部屋の荷物をダンボールに一つ一つ大切に詰めてゆく。四年過ごした部屋はけして広くはないけれど暖かみのあるところが気に入っていた。時計の針は午前零時をさしている。部屋の大部分が片付いていた。今日はいつもより部屋が寒い。めぐ未はエアコンをつけようと立ち上がった時インターホンが鳴った。
「はーい」めぐ未は足音をたてないようにドアの穴から覗くと雪乃が立っていた。ドアを開けると目を真っ赤に泣きはらし、憔悴した雪乃がいた。
「どうしたの?」めぐ未の問いかけに雪乃は黙ったままだった。
「とりあえず、、中に入って」めぐ未は雪乃の腕を引きながらドアを閉めた。
「こんな遅くにごめん、、」雪乃は俯いていた。
「あの人、他に付き合っている女性(ひと)がいるみたい」
「えっ?」
「私どうしていいか分からない」混乱している雪乃。
「現場をみたの?」
「全然帰ってこないのよ。出張を言い訳にして。様子がおかしいって思って・・問い詰めたら出張なんて嘘なのよ。そしたら・・もうダメ・・子供もいないし、彼を繋ぎ止めておけるものなんて何もないのよ」雪乃は言葉を振り絞ると、言葉を失った。
つづく、、